本研究はこれまでの動物モデルにおける金属安全性試験はクリアしているものの、ヒトでは金属によるアレルギー反応が生じていることもあり、新規に金属アレルギーに対する安全性試験の確率が必要と考えている。そこで申請者は以前パラジウム(Pd)アレルギーに反応するT細胞やT細胞受容体(TCR)α鎖を同定した。この病原性TCRα鎖の遺伝子導入株・遺伝子導入マウスを作製し、このマウスに金属アレルギーを誘導すると、アレルギー反応が通常の野生型マウスより強く生じていた。つまり、金属に高感受性マウスを用いて、金属アレルギーの発症機序の解明ならびに生体安全試験の確立に役立つものと捉えている。
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