研究課題/領域番号 |
18K17217
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
田澤 美樹 (柏木美樹) 東京大学, 医学部附属病院, 特任臨床医 (70803360)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | ヘッジホッグ / Runx2 / 骨折治癒 / シングルセル解析 |
研究実績の概要 |
多くの骨にみられる軟骨内骨化では、骨芽細胞と軟骨細胞は共通の前駆細胞から分化すると考えられている。Runx2欠失マウスでは、全身の骨形成が消失することから、骨芽細胞の分化にはRunx2が必須と考えられる。また、骨芽細胞の分化へのプロセスにおいては、ヘッジホッグシグナルがRunx2陽性骨芽細胞前駆細胞の形成に必須である。本研究では、骨芽細胞への運命決定プロセスにRunx2が必須であること、そしてRunx2の獲得にはヘッジホッグシグナルが関与することに着目し、骨修復機構においてその仕組みを細胞レベル・分子レベルで解明することを目的として研究をすすめている。現在、遺伝子改変マウスの作成に着手している。Runx2の機能解析のため、CAGCre-ERTM; Runx2fl/fl; R26RTomatoマウスを作成中である。CAGCre-ERTM; R26RTomatoマウスと、Runx2fl/fl; R26RTomatoマウスを作成済みであり、さらに掛け合わせを行っていく予定である。また、実験には雄マウスを使用するため、交配により雄マウスの数を目的の数まで増やし、骨折モデルによる実験を行っていく。加えて、本年度も本研究に関連する骨関連疾患、Runx2やヘッジホッグシグナルに関する知見の情報収集を各学会にて行ってきた。また、他施設への訪問も行い、研究におけるアドバイスをいただいた。これらの新たな知見をもとに、今後も本研究の計画書に沿って実験をすすめていきたいと考えている。さらに、骨関連疾患に関連する論文を執筆し、世界に向けて情報発信も行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
現在実験に使用するマウスの作成を進めている。マウスの性別による問題や、目的の遺伝子改変マウスの獲得状況によりやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、CAGCre-ERTM; Runx2fl/fl; R26RTomatoマウスが獲得でき次第、順次タモキシフェン濃度決定の実験を進めていく。濃度が決定されたのち、8週齢雄マウスが獲得できれば、左側脛骨骨折モデルを作成し、早急にRunx2機能解析の実験にうつる予定である。実験にやや遅れが生じているため、可能な限り、交配マウスの数を増やし、サンプルの獲得を目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
実験計画の進行がやや遅れている。本年度は主にマウスの交配を行っていたため、経費が次年度に繰り越しとなった。本年度計画していた実験を次年度に行う予定であるため、次年度繰り越し金を使用予定である。
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