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2018 年度 実施状況報告書

唾液分泌機構における新たな分子シグナリングの解明

研究課題

研究課題/領域番号 18K17219
研究機関新潟大学

研究代表者

岸川 咲吏  新潟大学, 研究推進機構, 特任助教 (50781358)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2020-03-31
キーワードドライマウス / GABAB受容体 / 唾液腺
研究実績の概要

ドライマウス(口腔乾燥症)は唾液の分泌量の減少によって口腔内の不快感や義歯の不適合などをもたらす疾患である。原因としては加齢やストレス、薬剤の副作用やシェーグレン症候群などの自己免疫疾患があげられるが、唾液分泌を改善する有効な根本的治療法はまだない。唾液の分泌には、2種類の興奮性神経伝達物質によるGタンパク質共役型受容体(GPCR) のシグナリングが関与していることが明らかになっているが、抑制性神経伝達に関わるGPCRについての報告はこれまでなかった。
申請者が唾液腺におけるGABAB受容体の発現を調べたところ、唾液腺に投射する末梢神経のみならず唾液腺細胞そのものにも発現していることが分かった。
本研究課題の初年度では、研究実施計画のうち①唾液腺細胞におけるGABAB受容体の構造について検討を行った。神経細胞のGABAB受容体は、R1、R2サブユニットが細胞膜上で二量体を形成することで機能している。そこで唾液腺細胞でも同様であるかを、生化学的手法の一つであるウエスタンブロット法を用いて確認した。ラットから回収した唾液腺組織である顎下腺、耳下腺、また腺組織の比較として膵臓を用いた。その結果、ラットの顎下腺、耳下腺にはともにGABAB受容体であるR1、R2ともに発現を確認した。しかし、膵臓ではGABAB受容体の発現は見られなかった。
現在は、ヒト唾液腺細胞におけるGABAB受容体のサブユニットであるR1、R2受容体の発現について解析を進めている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

消化腺組織の腺細胞マーカーの一つである酵素アミラーゼの検出が、ラット唾液腺組織である顎下腺、耳下腺ともに検出できなかった。一方で膵臓ではアミラーゼの検出は確認できた。アミラーゼの検出が唾液腺組織でできずGABAB受容体の発現が唾液腺の筋細胞由来か腺細胞由来であるかどうかの判断ができていないため、またヒト唾液腺を使った実験で免疫沈降法の条件検討を行っているため遅れている。

今後の研究の推進方策

・ラット唾液腺腺細胞の確認については、別の腺細胞マーカ―を用いて確認を行う。
・培養用唾液腺細胞を用いて、細胞内におけるGABAB受容体の局在について細胞内小器官マーカーを用いて調べる。
・下流シグナリングの検討:中枢におけるGABAB受容体はGi/oタンパク質と共役しており、GABAB受容体の活性化は細胞内のcAMPを減少させる。唾液腺細胞でも同様であるかを調べるために、βアドレナリン受容体を活性化して細胞内cAMP濃度を上昇させ、GABAB受容体の作動薬であるバクロフェンを加えてcAMPの減少が見られるかを測定する。

次年度使用額が生じた理由

研究が遅れているため

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公開日: 2019-12-27  

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