口腔扁平上皮癌では低分化型ほど予後が悪いとされている.今回の研究では,低分化型においてaPKCλ/ιの過剰発現を認めたことから,aPKCλ/ιの過剰発現が予後予測因子となり得る可能性が示唆された.また,aPKCλ/ιの細胞局在が核優位になると5年累積無増悪生存率が低下したため,aPKCλ/ιの細胞局在は重要な予後予測因子になることが示唆された.口腔がんにおいては特異的な診断マーカーが存在しておらず,aPKCλ/ιが有用な診断マーカーとなり得る可能性,さらにはをaPKCλ/ιをターゲットとした新たな分子標的薬開発にも繋がる可能性がある.
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