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2020 年度 実施状況報告書

Ultrashort TE撮像を用いたMRIによる顎骨診断法の確立

研究課題

研究課題/領域番号 18K17235
研究機関九州歯科大学

研究代表者

小田 昌史  九州歯科大学, 歯学部, 講師 (10638117)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2022-03-31
キーワードMRI / 骨
研究実績の概要

MRIは一般的には筋肉や脂肪組織の検査に特に有用であり、歯や骨表面などの硬い組織については、その性質上、診断に有効性がほとんどない。そのため、これまで骨の診断は主にCTにて行われてきた。今回の研究で取り扱うUltrashort TE撮像(UTE)は歯や骨を直接的に検査できる撮像法である。この技術を用いた研究発表は数年前から増加したが、主に手足を対象としたものである。申請者は歯や骨を対象とした画像診断が歯科領域への応用を考えている。具体的には歯及び歯の発生に関わる組織及び顎骨を画像化し、診断に用いることを目指した一連の研究を行っている。その応用としては顎骨内病変に対する歯や骨の所見から、これまで診断困難であった歯の発生に関わる組織の画像化(導帯管など)、歯の異常に関する知見の発展、病気の鑑別診断、血管の走行などと同時に検査することで従来よりも安全な歯科用インプラント治療の術前検査、悪性腫瘍の進展範囲のより正確な検査等が考えられる。
上記のような画像診断法を確立することを最終目標に見据えている。金属による画像の歪みや、撮像パラメータ等、その前段階となる撮像条件の検討を行ってきた。
申請者はこのUTEの研究によって口腔・顎・顔面領域の疾患の鑑別、初期変化の把捉、診断能をさらに向上させることができると考える。我々はすでに口腔顎顔面領域の疾患の多くを占める顎骨のMRI画像を作成することに成功した。UTE技術は顎骨に応用してこそ最大の有用性及び新たな知見が数多く見出されるものと確信している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

我々はこれまで口腔顎顔面領域の疾患の多くを占める顎骨からのMR信号を収集し、画像化する術を模索した。その結果口腔顎顔面部の骨及び歯を画像化することに成功している。その成果の具体例の一つとして、TE=0.096msの画像及びTE=5.6msの画像を取得し、それらから解析していくのが効率的であり、診断に有用性が高いことが分かっている。今後はこのパラメータを基本として、目的に合ったその他の撮像条件を検討していく必要がある。この研究結果により、骨ターゲットや線維組織ターゲットのMRIデータ収集が可能となることが期待される。COVID-19の蔓延により、研究協力者の確保が困難となり研究の遂行は遅延気味となっている。

今後の研究の推進方策

前述のようにUTEの基本となる画像を作成するためのパラメータをベースとして、目的の組織に合ったパラメータを個別に作成していく。UTEによる診断基準の確立に関して、レトロスペクティブな分析として行っていく。病態の違いによる治療法、治療効果に差異が見られた場合、倫理委員会の承認を受けた上で介入研究としていく予定である。

次年度使用額が生じた理由

メディア購入費、情報発信経費として誤差が生じた。COVID-19の蔓延により、研究協力者の確保が困難となり研究の遂行は遅延気味となっている。研究計画の通り、情報処理のためのソフト、デバイスの購入費として使用予定である。また、研究成果は国内外の学会発表や専門誌への投稿を通して報告し、その成果を知らせる。そのための発表経費、論文投稿及び印刷費にあてる。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2020

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Evaluations of velopharyngeal function using high-speed cine-MRI based on T2-weighted sequences: A preliminary study.2020

    • 著者名/発表者名
      Joujima T, Oda M, Sasaguri M, Habu M, Kataoka S, Miyamura Y, Wakasugi-Sato N, Matsumoto-Takeda S, Takahashi O, Kokuryo S, Sago T, Yoshiga D, Tanaka T, Morimoto Y
    • 雑誌名

      Int J Oral Maxillofac Surg

      巻: 49 ページ: 432-441

    • DOI

      10.1016/j.ijom.2019.08.001.

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Can the lower rate of CT- or MRI-related adverse drug reactions to contrast media due to stricter limitations on patients undergoing contrast-enhanced CT or MRI?2020

    • 著者名/発表者名
      Maeda Takahiro、Oda Masafumi、Kito Shinji、Tanaka Tatsurou、Wakasugi-Sato Nao、Matsumoto-Takeda Shinobu、Joujima Takaaki、Miyamura Yuichi、Kiyota Koichi、Tsutsumi Kensuke、Morimoto Yasuhiro
    • 雑誌名

      Dentomaxillofacial Radiology

      巻: 49 ページ: 20190214

    • DOI

      10.1259/dmfr.20190214

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Real time-evaluation of swallowing in patients with oral cancers using cine-magnetic resonance imaging based on T2-weighted sequences.2020

    • 著者名/発表者名
      Tanaka T, Tanaka R, Yeung AWK, Bornstein MM, Nishimura S, Oda M, Habu M, Takahashi O, Yoshiga D, Sago T, Miyamoto I, Kodama M, Wakasugi-Sato N, Matsumoto-Takeda S, Joujima T, Miyamura Y, Morimoto Y
    • 雑誌名

      Oral Surg Oral Med Oral Pathol Oral Radiol

      巻: 130 ページ: 583-592

    • DOI

      10.1016/j.oooo.2020.05.009.

    • 査読あり
  • [雑誌論文] First report of sublingual ducts cisualization by dynamic MR sialography and its clinical application2020

    • 著者名/発表者名
      Tanaka T, Oda M, Wakasugi-Sato N, Joujima T, Miyamura Y, Habu M, Kodama M, Takahashi O, Sago T, Matsumoto-Takeda S, Nishida I, Tsurushima H, Otani Y, Yoshiga D, Sasaguri M, Morimoto Y
    • 雑誌名

      J Clin Med

      巻: 9 ページ: 3676

    • DOI

      10.3390/jcm9113676.

    • 査読あり
  • [学会発表] 導帯管から得られる情報と臨床への応用2020

    • 著者名/発表者名
      小田昌史
    • 学会等名
      第31回西日本臨床小児口腔外科学会学術大会

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公開日: 2021-12-27  

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