研究課題/領域番号 |
18K17236
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研究機関 | 九州歯科大学 |
研究代表者 |
田中 純平 九州歯科大学, 歯学部, 特別研修員 (90772913)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | ARONJ / 休薬 |
研究実績の概要 |
本研究の目的はBisphosphonates (BP)製剤休薬によるAnti-resorptive agents-related osteonecrosis of the jaw (ARONJ)発症予防の有効性とそのメカニズムについて解明を行うこと、また、BPからの副甲状腺ホルモン(PTH)製剤(テリパラチド:TPTD)への薬剤変更によるARONJ発症予防の有効性とそのメカニズムについて検討・解明をすることである。本研究の結果は、今後のARONJの予防・治療戦略に大きく貢献することが期待される。 現在は、適正な休薬期間を設定する、予備実験を行っている。予備実験では①2週間休薬②4週間休薬③8週間休薬群を設け、その中で休薬効果が得られた最短の休薬群を休薬モデルとすることを決定する。すべてのラットにビスホスホネート系製剤の1つであるZoledronate(ZOL)を4週間皮下注射し、ZOL投与後の休薬による顎骨・大腿骨への影響を確認するために、休薬を行わなかった群と、2週休薬群、4週休薬群、8週休薬群を設け、その後、顎骨ならびに大腿骨に対してドリリングを行い、歯周病原細菌より抽出したLPS充填し、その後、ヘマトキシリンエオジン(HE)染色を行いって骨壊死面積を評価した。休薬を行っていない群と比較して、4週の休薬と8週の休薬群は明らかな有意差は認めないが、骨壊死面積が小さくなる傾向にあった。4週の休薬と8週の休薬では有意差は認めないが、骨壊死面積が小さくなる傾向にあった。 BP製剤の休薬によりARONJ発症が抑制される可能性は示唆されたが、有意差はなく、N数を増やして、再度検討し、適切な休薬期間を設定する必要性があると考える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究は標本作成までに少なくとも16週の期間を要する。また、その後の標本作製と解析に時間を要した。さらに全身麻酔下に手術を行う際に、全身的には手術侵襲に伴うラットの全身状態から安楽死が必要となった症例、術中・術後死の症例、局所的には顎骨や大腿骨の骨折の症例は、一定数生じるため、十分なN数を確保できていない。 以上の理由から、上記と判断した。
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今後の研究の推進方策 |
適正な休薬期間の決定を行い、休薬モデルの作製・検証を行うことで侵襲的処置前の休薬の有効性を検討する。 TPTDへの薬剤変更によるARONJ発症予防の有効性について検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が生じた理由:動物実験が予定より進まなかったために、動物の購入や飼育、検体の処理等に関する費用がかからず次年度使用額が生じた。 次年度使用額の使用計画: 進捗が遅れている動物実験を進めるため、適宜外部業者に委託する検査も利用しながら進める。
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