ヒト口腔扁平上皮癌細胞HSC-4細胞において、低細胞密度の条件下では、E-cadherinを介した細胞間接着の崩壊により、Hippoシグナル経路のエフェクター分子であると共に転写補助因子であるYAP/TAZの活性化が示された。このYAP/TAZの活性化により、上皮間葉転換に関連下転写因子であるSlugの核内移行を促進させて、E-cadherinからN-cadherinへのcadherinの発現変化であるcadherin switchを誘導することが示された。以上の結果から、ヒト口腔扁平上皮癌細胞の悪性化に関与する上皮間葉転換の機構がHippo経路にも関与することが示された。
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