Streptococcus mutansは主要なう蝕原性細菌であり、感染性心内膜炎(Infective Endocarditis;IE)の起炎菌としても知られている。コラーゲン結合タンパク(Collagen-binding protein;CBP)はS. mutansの10~20%程度が発現しており、う蝕やIEの病原性に関与している。本研究では、重度のう蝕を生じさせたラットモデルを用いて、う蝕病変を介したIEの病原性を評価できる新たな動物実験系を確立した。また、CBP陽性のS. mutansが、う蝕病変部より歯髄腔を介して血液循環内に侵入し、IEの病原性に影響を及ぼす可能性を示した。
|