研究課題
グルコーストランスポーター1型欠損症 (Glut-1欠損症)はSLC2A1遺伝子の変異により脳内へのグルコースの取り込みが減少する代謝性脳症である。1991年に報告されてから、これまで国内での報告数は70例弱であり、非常にまれな疾患である。当矯正科には、本疾患を有する患者が多数受診しており、特異的な顔貌と不正咬合を呈することから、本疾患と咬合異常とに何らかの因果関係が疑われる。実際、近年に本疾患と診断された中年の患者では、上顎前突と著しい過蓋咬合を呈しており、外傷による欠損や歯周病に伴う咬合崩壊などQOLに影響しうる状況が見られた。よって、本研究では、SLC2A1遺伝子の変異が頭蓋顔面部の成長発育に与える影響を解明し、本疾患における咬合異常の発生機序を明らかにすることで、顎顔面の成長発育に寄与する因子や既知の遺伝子を繋ぐ新規シグナル経路の解明を目指す。今年度はまず当科を受診しているGLUT1欠損症患者について顎顔面部の形態異常、咬合異常について詳細に分析し、ヒトにおける矯正学的特徴を解析する。また、Slc2a1コンディショナルノックアウトマウスを作製し、その表現型を観察する。本研究では、組織特異的なSlc2a1遺伝子の役割を解析するため、上皮や神経堤細胞特異的にSlc2a1の機能阻害を行うマウスを作製し、その表現型全体をまずは形態学的、組織学的に解析する。引き続き、各組織・器官を摘出し、Slc2a1の発現パターンを観察する。
3: やや遅れている
当科を受診しているGLUT1欠損症患者 数名について顎顔面部の形態異常、咬合異常について詳細に分析し、ヒトにおける矯正学的特徴を解析し、現在、論文投稿中である。
今後、Slc2a1コンディショナルノックアウトマウスを作製し、その表現型を観察する予定である。現在は、ターゲットとする患者から同定された変異について絞り込みを行っている段階である。
当科を受診しているGLUT1欠損症患者 数名について顎顔面部の形態異常、咬合異常について詳細に分析し、ヒトにおける矯正学的特徴を解析し、現在、論文投稿中であり、当初の予定より遅れている。今後、Slc2a1コンディショナルノックアウトマウスを作製し、その表現型を観察する予定である。現在はターゲットとする患者から同定された変異について絞り込みを行っている段階である。
すべて 2019 2018
すべて 学会発表 (6件) (うち国際学会 1件) 学会・シンポジウム開催 (1件)