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2019 年度 実績報告書

コールドレーザーを応用した歯の移動時の歯周組織代謝活性化と臨床応用

研究課題

研究課題/領域番号 18K17257
研究機関広島大学

研究代表者

郡司 秀美  広島大学, 医系科学研究科(歯), 研究員 (80806688)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2020-03-31
キーワード半導体レーザー
研究実績の概要

本研究では、コールドレーザーの被照射組織に対する生体活性作用(バイオスティミレーション効果)と、その高い安全性に着目した。コールドレーザーは従来の低出力半導体レーザーと比較して高い光エネルギーを持ちながら、超短パルスレーザーであるため、照射時の組織の熱損傷を伴わないという特徴がある。そのため、照射時にはより安全にレーザー光を深部組織に到達させることが可能となる。これを応用して矯正歯科治療時における歯周組織代謝機構を解明するとともに、コールドレーザー照射時の歯の移動速度の変化について検討した。in vitroでは、マウス頭蓋冠由来骨芽細胞用細胞(MC3T3-E1)を用いた。培養細胞に対してコールドレーザーを照射した際の細胞増殖能への影響をELIZA BrdU assayおよびATP assayにて検討した。また、レーザーが細胞内伝達物質に及ぼす影響について検討するため、MAPK/MEKシグナル伝達経路の中間経路として知られるMAPK/ERK 1/2、p38 MAPK、SAPK/JNKのリン酸化について検討を行った。in vivoでは、ラットの実験的歯の移動モデルを作製し、レーザー照射を行った時の歯の移動距離の検討を行った。また、歯周組織の組織切片を作製し、骨代謝マーカーの発現を免疫組織化学染色にて検討した。
その結果、レーザー照射により、MT3T3-E1の細胞増殖能が亢進した。そして、MAPK/ERK 1/2、p38 MAPK、SAPK/JNKのリン酸化が亢進した。また、ラットの実験的歯の移動時にレーザー照射を行うことにより、歯の移動が亢進された。さらに、歯の移動後の歯周組織の免疫組織化学染色により、圧迫側ではRANKLの発現の亢進が認められ、けん引側ではALP、BSP、PCNAの発現の亢進が認められた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2019

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] Molecular biological and histological effects of Er:YAG laser irradiation on tooth movement.2019

    • 著者名/発表者名
      Tsuka Y., Kunimatsu R., Gunji H., Nakajima K., Hiraki T., Nakatani A., Tanimoto K.
    • 雑誌名

      J Oral Sci

      巻: 61(1) ページ: 67‐72

    • 査読あり
  • [学会発表] Effect of Er:YAG laser irradiation and mechanical force on primary human gingival fibroblasts.2019

    • 著者名/発表者名
      Tsuka Y., Kunimatsu R., Gunji H., Abe T., Cynthia Concepción Medina, Nakajima K., Hiraki T., Nakatani A., Tanimoto K
    • 学会等名
      The 52 th Annual Scientific Congress of the Korean Association of Orthodontists (Souel)
    • 国際学会
  • [学会発表] 超短パルス近赤外線半導体レーザー照射がマウス頭蓋冠由来骨芽細胞の細胞増殖および細胞修復能に及ぼす影響2019

    • 著者名/発表者名
      國松亮,郡司秀美,柄 優至,吉見友希,粟田哲也,中島健吾,坂田修三,中谷綾香,平木智香,阿部崇晴,谷本幸太郎
    • 学会等名
      第78回日本矯正歯科学会学術大会 (長崎)

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公開日: 2021-01-27  

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