研究課題/領域番号 |
18K17259
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
七條 なつ子 自治医科大学, 医学部, 助教 (60779940)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 歯学 / 食育 / 成長 / 顎顔面骨格 |
研究実績の概要 |
咀嚼性刺激は顎顔面の成長発育と密接な関連があることが多数報告されている一方で、その詳細については未だ不明な点が多い。そこで本研究では、成長期における軟性飼育による咀嚼性刺激の低下が咀嚼筋及び下顎骨の性状に及ぼす影響を量的ならびに質的に解析するとともに、さらに成長途中において顎顔面領域への刺激が変化することで発達に変化が起こるのか否か検討することを目的とした。 硬食飼料のみで育てる硬食群(control group)、軟食飼料で育てはじめ、大臼歯が萌出する6週齢で硬食飼料に変更するearly catch-up群、成長のスパートが終了する11週齢で軟食飼料から硬食飼料に切り替えるlate catch-up群の3群に分け、16週齢目に右側下顎骨を摘出、2種類の実験動物用X線CT装置を用いて骨密度および骨量測定と形態学的計測を行っている。前回報告した結果では、体重や食餌摂取量では有意差は認められなかった。 今回、側頭筋・咬筋・顎二腹筋の質量を3群間で比較したところ、有意差は認められなかった。しかし、形態計測の6項目中、5項目でlate catch-up群は他の2群と比較して有意に小さな値を示す結果が得られている。成長過程における食餌の変化は筋肉の質量に与える影響は小さいが、下顎骨の形態には影響を与えることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
臨床と大学教育に時間を大幅に取られ、研究に費やす時間を十分に獲得できなかった。
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今後の研究の推進方策 |
比較している3群間における体重や食餌、筋肉の重さに有意差は認められなかったが、下顎骨の形態へ影響を与えることが示唆された。今後、HE染色における下顎頭の状態を3群間で比較検討し、現在得られている結果と合わせて学会発表や論文投稿の準備を進めていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
臨床に費やす時間を多くとってしまい、研究を思うように進めることができず次年度に繰り越すことになった。また、学会参加費や論文投稿費に費やすことも少なかった。次年度は最終年度になるため、今だ得られていない下顎頭の切片の作製・検討や学会参加、論文投稿を積極的に行い、情報収集および研究結果の総まとめに費用を使わせて頂きたいと思っている。
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