研究課題
本研究では、若齢期である1か月齢の雌DDYマウスを用いて120分間の急性拘束ストレスを負荷し、ストレス条件下での咀嚼刺激が食欲不振症に与える効果を探索するとともに、咀嚼運動のもつ食欲不振症の抑制メカニズムをストレス因子および食欲調整因子の動態に着目して明らかにすることとした。今年度の研究実績としては、マウスを拘束ストレスを負荷しないコントロール群と拘束ストレス曝露下において木製の棒を噛ませた群(ストレスチューイング群)、拘束ストレス曝露下で木製の棒を噛ませなかった群(ストレス群)に分類し各群の、体重、摂食量、飲水量を測定した。ストレス群ではコントロール群やストレスチューイング群に比較して体重および摂食量の減少が顕著に認められたが、コントロール群とストレスチューイング群との間では体重および摂食量の顕著な差はみられなかった。また飲水量はコントロール群、ストレス群、ストレスチューイング群において差はみられなかった。このことから、ストレスによる体重減少や摂食量の減少は、ストレス負荷中の咀嚼運動によって緩和されることが示唆された。また、このストレス負荷中の食欲不振症が咀嚼運動によって緩和されるメカニズムを解明するために、現在、摂食調整因子であるグレリンの血中濃度のELIZAによる解析を行っているところである。また、ストレス関連物質であるコルチコステロンのELIZAによる解析のためのサンプル採取を行っている。
2: おおむね順調に進展している
現在おおむね順調に解析およびサンプル採取をおこなっている。
来年度においては、ストレス関連因子であるコルチコステロンの解析および摂食調整因子であるニューロペプチドYの解析を行っていく予定である。
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