口蓋裂手術の治療後に瘢痕が形成されることが問題となっています。瘢痕の主役は手術部位の線維芽細胞がコラーゲンを大量に産生することです。コラーゲン産生はTGF-β促進します。そこで、TGF-βが弾性線維成分MAGP-1と結合することに着目しました。培養線維芽細胞はTGF-β1およびMAGP-1 mRNA発現を張力とともに増加、MAGP-1とTGFβ-1は複合体として共存していることがわかりました。MAGP-1はTGF-βを捕捉して細胞に結合することを防ぐ可能性が考えられ、口蓋裂手術創傷へのMAGP-1の投与は瘢痕を予防するためのアプローチとして有用であると考えられました。
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