研究課題
令和2年度は、新型コロナウイルスが世界的に流行しはじめ、本実績報告書を製作している令和3年3月においても、日本国内の感染者数は増加傾向にある。本研究は、新型コロナウイルス感染時に重症化しやすい高齢者が対象である。研究協力施設であるデイサービスでの口腔機能・運動機能測定会と、測定結果による集団健康指導を前提としていた。しかし、測定会と集団健康指導のいずれも、新型コロナウイルスの感染予防に重要とされる3密を避けることが困難となる可能性を否定することができなかった。また、緊急事態宣言等により、我々研究者の仙台市からの他県への移動を自粛する必要もあった。新型コロナウイルスの感染状況と研究対象地域の医療体制を考慮し、計画通りの研究を行うことが出来なかった。そのため、研究協力施設のデイサービスの職員に、食と栄養に関するアンケート調査を実施してもらい、分析することに計画を変更した。結果、現代の地域一般高齢者は健康的な食生活に対する意識は高く、特にメタボリックシンドロームなどの生活習慣病に関する知識は十分に身に付けている人が多いが、フレイルについての認知は低いことが分かった。高齢者の主な情報源であるテレビや新聞などでフレイルは報じられていることを鑑みると、その効果は限定的である。高齢者が過去の情報蓄積に影響されやすいのであれば、若年世代のうちから十分な栄養知識を身に付けられるようなポピュレーションアプローチが必要であると考えられた。国民を対象としたワクチン接種は令和3年3月の段階で、医療関係者と高齢者に開始されたばかりであり、個人及び集団の免疫の獲得にはまだ時間がかかることが予想されている。令和2年度は本研究の最終年度だったが、延長申請をし、承認を得た。令和3年度も、新型コロナウイルスの感染状況と医療体制、研究参加者の意向等を総合的に判断し、実施内容と実施時期について検討する。
4: 遅れている
新型コロナウイルスの感染拡大により、複数の高齢者を対象とした本研究を一時中断とせざるを得なかった。
新型コロナウイルスの感染状況と医療体制、研究参加者の意向等を総合的に判断し、実施内容と実施時期について検討していく必要がある。
新型コロナウイルスの感染拡大により、研究を一時中断とせざるを得ず、令和2年度は測定会と集団健康指導に必要な消耗品購入代金、旅費、人件費等のいずれも支出しなかった。令和3年度は、対象地域の新型コロナウイルスへのワクチン接種状況と感染者数の状態を考慮した上で、口腔機能測定に必要な消耗費の購入、交通費等に使用する予定である。
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Clin Exp Dent Res
巻: Feb;7(1) ページ: 49-55
10.1002/cre2.333