研究課題/領域番号 |
18K17280
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
泉井 秀介 大阪大学, 歯学研究科, 招へい教員 (00806052)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | クルクミン / 初期治療 / PISA / PDT / 5ALA |
研究実績の概要 |
Porphyromonas gingivalis (P. gingivalis)を有する患者は歯周炎リスクが上昇することがしられている。一方クルクミンは歯周病菌に対する抗菌作用など生理活性を有することが知られているが、日本おいてクルクミンを用いた臨床報告は極めて少ない。本年度は、クルクミンを用いた歯周病初期治療が口腔管理に有効か検討した。歯周炎を主訴とする患者のうち、PCR検査にてP.gingivalisを有する2名を対象にした。被験者にはクルクミンを用いた初期治療を行い、診査項目は細菌検査とPISAを用いた。その結果、クルクミンを用いた初期治療によしPISAの改善が認められた。その結果、クルクミンを用いた初期治療はP.gingivalisを有する歯周病患者に一定の効果を与えることが示唆された。 前年度クルクミンと共に用いるペプチドのスクリーニングを行い、5アミノレブリン酸(5ALA)が有力な候補となった。本年はP. gingivalisを代表とするRed complexに対する効果を確かめた。24穴プレートにRed complex(E8CFU/mL)と5ALAを加え2時間静置した後、波長410nmのLED光(18mW/cm2)を1分間照射した。菌数の測定は血液寒天培地を用いたコロニーカウントとリアルタイムPCRを用いた。その結果、5ALAを用いたPDTは濃度依存的にプランクトニックな状態のRed complexを減少させた。このことは5ALAを用いたPDTはRed complexに対して殺菌効果を示し、口腔内PDTに応用できる可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
クルクミンを用いて口腔の2大疾患である歯周病に関しては一定の臨床効果を示すことが分かった。進行した歯周病患者に多い根面う蝕に対しての効果は調査中である。
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今後の研究の推進方策 |
進行した歯周病患者に多い根面う蝕に対しての効果は調査中である。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が生じた理由は高額な5ALAの使用料が大幅に減少することで、使用額と差が生じたからである。。 また、抗菌ペプチド作成と共焦点顕微鏡用の抗体に使用する計画である。
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