本研究ではin vitroおよび臨床的アプローチの両面から、歯肉縁下微生物集団におけるアミノ酸栄養共生機構の解明を目指した。まずFusobacterium nucleatumの高いポリアミン産生能を見出すとともに、口腔レンサ球菌と協働することで、産生能が飛躍的に高まることが示された。臨床研究では、歯周病重篤度と相関する代謝物としていくつかの芳香族アミノ酸分解産物を見出し、それらがP. gingivalisやPrevotella属細菌により産生されていることを示唆する結果を得た。これらの新知見は、細菌集団におけるアミノ酸代謝変動が病態形成の基礎をなすことを示唆している。
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