研究課題/領域番号 |
18K17286
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
須磨 紫乃 九州大学, 歯学研究院, 助教 (70759365)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 口腔状態 / 食欲 / 低栄養 / 高齢者 |
研究実績の概要 |
本研究は栄養状態や食欲に最も関連する口腔状態の指標やその組み合わせを探索し、口腔状態、食欲、低栄養が相互にどのように関連しているか、またこれらの関連が背景因子の異なる高齢者(地域在住高齢者、在宅要介護高齢者、施設高齢者、認知症高齢者)においてどのように異なるかを検討することを目的としている。このことにより高齢者の低栄養、ひいてはサルコペニア、フレイルの予防に有効となる口腔状態や食欲を考慮した食支援方法作成のための具体的な根拠を示すことができると考えている。 研究計画2年目である令和元年度は、平成30年に実施した3か所(香川県仲多度郡まんのう町に住む地域在住高齢者、福岡県糸島市の居宅介護支援事業所の介護サービスを利用している要介護高齢者、通所介護事業所を通じて通所型サービスAを利用している高齢者)での調査結果を整理し、フィードバックを行った。調査結果より、各集団における口腔の健康状態(現在歯数、未処置歯の有無、嚥下機能、不顕性誤嚥、臼歯部咬合、一日の清掃回数や定期健診などの口腔清掃習慣)や全身の健康状態(IADL、認知機能、栄養状態、食欲、筋肉量、フレイル、サルコペニア)のそれぞれの項目で違いが見られた。そのため今後はさらに口腔の健康状態と食欲、栄養状態、サルコペニア、フレイルなどの全身の健康状態との関連を共分散構造分析を用いて検討すると共に、多母集団解析により自立した生活を営む高齢者と要介護高齢者などのモデル比較を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
令和元年度は平成30年度に実施した調査結果を整理し、使用予定の新しい解析ソフトの購入、手法の学習ができたが、予定していた他の高齢者集団での調査の実施は出来なかったので、進捗状況はやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
令和2年度は令和元年に整理した調査結果を用いて、それぞれの高齢者集団における食欲を考慮した口腔状態と低栄養の関連、また自立高齢者におけるサルコペニア、フレイルを含む関連も検討する。さらに令和元年に実施できなかった高齢者集団における調査、また平成30年度に調査を実施した集団を対象とした追跡調査を実施したいと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
令和元年度は実施予定だった調査のうちの一つが実施できなかったため、使用した人件費、及び物品費が少なくなり次年度使用額が生じた。令和2年度は調査を実施予定のため、人件費、及び物品費を使用する予定である。
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