薬剤関連顎骨壊死(MRONJ)は抜歯後に発症することが少なくないことから、これまでは抜歯は避けられてきた。しかし感染源になる歯の温存が逆に局所感染の原因となることもある。今回、MRONJの発症予防法の確立を目的とした研究において以下の結果が得られた。1)多施設共同後ろ向き研究で、高用量骨修飾薬(BMA)投与患者361例のMRONJ発症リスク因子を調べたところ、 高用量BMA投与患者では感染源になり得る歯を有する場合は積極的に抜歯を行うことが推奨される。2)BMA投与歴のある患者の摘出顎骨の組織学的検索では、6か月未満の休薬例では破骨細胞の形態は正常に回復していないことが明らかとなった。
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