本研究は、通常の歯磨きに加えて舌清掃の介入を行うことが呼吸や摂食嚥下機能に重要な舌骨上筋群に影響を与えるか明らかにし、根拠に基づいた口腔ケア方法を開発することを目的とした。 65歳以上の高齢者50名を対象に介入群(日常的な口腔清掃に加えて舌清掃を行う)と対照群(日常的な口腔清掃のみ)の2群に分け6週間のランダム化比較試験を実施した。 結果、呼気中のsEMGのRMSは、介入群のベースライン時と比較して追跡期間の終了時に有意に増加したが対照群においては増加しなかった。通常の口腔ケアに舌清掃を加えて行う口腔ケア方法は、舌骨上筋群の向上および機能低下予防につながることが示唆された。
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