本研究は高齢者におけるフレイル判定を唾液検査に応用しようとする試みであり,歯科の立場からフレイル対策における研究を推進することができるものである.特に唾液検査は簡便であり,フレイルの新規評価法の開発を目指すだけではなく,フレイルの早期診断や高齢者の生活機能のモニタリングにも応用できるものである.さらに,高齢者家族にも利用可能な簡易検査法開発のための研究は,高齢者の支援体制をいっそう充実させ,社会問題である要介護者数の抑制や高齢者の生活機能の維持向上にも貢献でき,医療費の抑制につながる極めて重要な意義をもたらすことになる.
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