歯周炎を持つ糖尿病患者は持たない患者より腎症に移行する割合の高いことが知られていますが、その仕組みは未解明です。この研究では、糸球体血管が、糖尿病になると免疫分子TLRを発現して、血液中の細菌成分に過剰反応することで腎臓を硬くする可能性を追求しました。すなわち、消化管の細菌は全て肝臓で殺菌されますが、口腔の細菌は直接腎臓に入ります。本研究は、血中に入った歯周病原物質P. gingivalis LPSが構造の複雑な糸球体から排除できず、糖尿病環境で発現するようになったTLRを活性化して、炎症を促進する様々な物質(白血球接着因子、生理活性物質など)を過剰発現することがわかりました。
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