研究課題
過食症に有効性が認められている認知行動療法は、治療者が都市に集中しているため、治療を受けられない患者も少なくない。そこで、研究1では、過食症の女性に対するテレビ電話による認知行動療法(以下vCBTと略記)の症状改善効果を検証するとともに、vCBTに伴う治療同盟、及びvCBTの安全性と満足感からvCBTの実用可能性を検証することを目的とした。研究2では、臨床試験を終了した研究協力者を対象に追跡調査を行い、QOL、過食症状の推移や再発率について観察し、費用対効果や長期的な有効性について検討することを目的とした。研究プロトコルを作成し、千葉大学医学部附属病院の臨床研究倫理審査委員会の承認を得た上で(承認番号G29028)、登録および介入を開始した(UMIN000029426)。本研究は、非対照試験であり、神経性過食症、過食性障害の16歳以上65歳までの女性を対象とした。vCBTを1回50分、週1回で16回の介入を行った。有効性・安全性評価のための主要評価項目に関する検査及び副次評価項目に関する検査は、介入開始日、介入中期、介入終了後に実施しており、症状の主要評価として、摂食障害評価尺度(Eating Disorder Examination (EDE))における28日間の客観的過食エピソードの回数・排出行動エピソードの回数・客観的過食エピソードと排出行動エピソードの合計回数とした。累計8名の研究教職者を登録し、介入を終えたため、データを固定した。
2: おおむね順調に進展している
研究プロトコルを作成し、千葉大学医学部附属病院の臨床研究倫理審査委員会の承認を得た上で、登録および介入を開始した(UMIN000029426)。当初予定していた臨床試験の登録人数よりやや少ないが、既にデータを固定し、臨床試験を終了したため、おおむね順調に進展しているといえる。
今後は、データ解析を行なっていく。有効性の評価は、患者の主診断に沿って、摂食障害評価 Eating Disorders Examination(EDE)を用い、治療開始時と治療終了時のEDEにおける客観的過食エピソードと排出行動の変化量により、実用可能性と治療効果を明らかにする。また、臨床試験に参加した研究協力者を対象に、費用対効果や長期的な有効性について検証するために、追跡調査を行う。追跡調査の研究に関しては、千葉大学医学部の倫理審査委員会の承認を得ている(承認番号3175)。
貸し出し予定のタブレット等を購入予定であったが、既に研究協力者が持っている物を使用したため、購入に至らなかった。そのため、次年度の研修を受けるための旅費と消耗品の使用を予定している。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (8件) (うち国際学会 2件)
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