研究課題/領域番号 |
18K17313
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
濱谷 沙世 千葉大学, 子どものこころの発達教育研究センター, 特任研究員 (30771414)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 摂食障害 / 遠隔医療 / 認知行動療法 / 神経性過食症 / 過食性障害 |
研究実績の概要 |
本年度は、昨年度実施した臨床試験(UMIN000029426)のデータ解析を行い、神経性過食症と過食性障害に対してテレビ電話による認知行動療法(以下vCBTと略記)の実用可能性を検討した。その結果、累計8名の研究協力者を登録し、1名が介入前に研究参加を辞退したため、7名を対象に解析を実施した。摂食障害評価 Eating Disorders Examination(EDE)における客観的過食エピソードと排出行動エピソードの合計頻度の平均が、治療前後で47.60から13.60まで顕著に減少し(71%減少)、効果量は中程度(Cohen’s d = -0.76)であったが変化量は有意ではなかった(95% 信頼区間 = -2.09 to 0.58, p = 0.17)。また副次評価項目に有意な差は見られなかった。治療中WAI-SFの合計得点は64.8点から66.0点と一貫して高い水準を維持していた。ドロップアウト率は28.6%で(2/7)、試験中にはいかなる有害事象も観察されなかった。本研究の成果は、神経性過食症と過食性障害に対するテレビ電話CBTの実用可能性を示し、英文誌にて報告した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初予定していた通り、実用可能性を検討した結果を英文誌に報告しており、おおむね順調に進展しているといえる。
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今後の研究の推進方策 |
臨床試験に参加した研究協力者を対象に、費用対効果や長期的な有効性について検証するために、追跡調査を行っており(承認番号3175)、本データを今後解析していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
海外で開催される研究会に参加する際の旅費に使用する予定であったが、研究会が中止となり未使用額が生じた。 (次年度における未使用額の使途内容) 国際学会の学会参加費に支出予定である。
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