研究課題/領域番号 |
18K17318
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研究機関 | 特定非営利活動法人健康医療評価研究機構 |
研究代表者 |
誉田 真子 特定非営利活動法人健康医療評価研究機構, 研究事業部, 研究員 (70771187)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 受診勧奨 / 境界型糖尿病 / 意思決定支援ツール / 糖尿病予防 / 評価 / 統計解析計画書 |
研究実績の概要 |
人間ドック検査で糖尿病の境界型を指摘された人を対象に、医療機関への受診(再検査)を促す意思決定支援ツール(漫画冊子)を配布すると、研究実施施設で行われている従来通りの方法で対応した場合と比較して、その後の受診割合に変化を及ぼすのかを検証する、ランダム化比較試験の評価を行った。また、統計解析実施に向けて、統計解析計画書の作成を進めている。 1) 評価 研究対象者として、昨年度の人間ドック時に登録した人々の1年後の評価を行った。評価時の情報としては、登録時にも収集した人間ドックでの測定項目に加え、自記式質問紙調査も行った。この調査票は、主要評価項目に加え、本研究で開発した医師決定支援ツールの評価に用いる項目を含んでおり、研究グループ内で議論の上、作成した。調査票は、研究実施施設に所属し、本研究を担当する保健師が回答を確認し、欠測を最小限に留める工夫を行った。COVID-19感染拡大の影響を受け、研究実施施設の休業や、研究実施施設での感染予防体制の検討などを要したが、研究実施施設の協力により、2020年度の人間ドックに来た研究対象者について、概ね評価を行うことができた。 2)統計解析計画書 統計解析実施に向けて、統計解析計画書の作成を進めている。本計画書は、本研究の統計解析担当者や統計解析責任者を中心に、研究グループ内で議論を重ねている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
理由 意思決定支援ツール開発に時間を要し、研究スケジュール全体としては少し遅れているが、研究実施施設での研究対象者リクルート、研究対象者登録が順調であったため、遅れは最小限に留まっている。しかしながら、COVI-19の影響が、研究全体の進捗をやや遅らせている。
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今後の研究の推進方策 |
2020年度は、評価時情報の収集が終了し、収集した情報を用いた統計解析の実施、結果の公表を行う。昨年度報告したとおり、本研究もCOVID-19の影響をいくつか受けており、これらの影響を考慮した上で、結果の客観的解釈を要することが予想される。なお、結果に影響を及ぼしうるCOVID-19の影響は以下の通りである。 ①一部研究対象者について、プロトコルで規定した通りのフォローができていない。<理由>covid-19の影響<対応>主要評価・副次的評価時には、プロトコル通りの介入がなされたとして解析する。サブ解析として、2019年10月以降に登録した対象者と、それ以前に登録した対象者との違いも解析することを考えている。 ②研究実施施設所在地が緊急事態宣言中、研究実施施設である健診センターは閉業状態にあった。また、緊急事態宣言が解除され、健診センターが再開した後も、covid-19の影響で健診センターで検査を受ける人が例年と比べてどの程度になるか、予測不可能な状況である。<対応>研究実施施設は、この状況下においても研究実施に協力的で、健診センターが営業している限りは引き続き協力するとの意向を表明してくれている。感染予防について様々な考え方があるため、研究対象者への人間ドック受診を勧奨することは難しく、2020年度も人間ドックを受診した研究対象者の情報を収集することに努めた。 ③①の<理由>と同じ理由により、介入群・対象群ともに、境界型糖尿病での受診・検査の意思はあっても、covid-19の影響により、受診・検査を見送った研究対象者が一定数存在する可能性が考えられる。<対応>介入効果を測定する項目の中には、「受診・検査に行かなかった理由」を聞く項目がある。その質問項目の回答に、「感染予防のため」を追加した。
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次年度使用額が生じた理由 |
2021年度は、最終年度として、評価時情報の収集および、統計解析の実施と結果の公表を行う予定である。 研究実施施設で使用する使用額は、情報収集が終了する6月頃で終了し、その後は、統計解析や結果の公表に伴う使用となることを予定している。なお、本研究の主要な結果については、今年度中の論文投稿および学会発表を目標としている。
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