研究課題/領域番号 |
18K17326
|
研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
藤井 比佐子 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 特任講師 (70545194)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
キーワード | マッチングシステム / 健常人 / リクルートメント / 臨床研究 |
研究実績の概要 |
健常人を対象とする臨床研究を計画する場合、研究者にとって患者のリクルートはできるものの、病院に来院することのない健常人のリクルートは容易ではなく、研究実施における大きな課題の一つである。参加者を容易に募ることが出来、また、募集経過も把握しつつ研究を進めることのできるシステムがあれば、多くの研究に活用できるものと考えられる。 昨年度ポータルサイトの構築を開始した。当初のシステム設計としては、ネットワーク上で会員、研究者とも自由に登録や閲覧ができる仕組みを構築することであった。それに加えて本年度より当院内電子カルテネットワーク内で「おおさか臨床試験ボランティアの会」データベースを管理する検討を開始した。 実績①ホームページ開発:だれでもアクセスできる公開サイトを作成し、ポータルサイトとして構築した。現在の募集状況、本サイトの使い方他、関連する様々な情報提供物(新着記事など)を掲載し、それらの動作確認を行った。また、マイページ(非公開サイト)を作成し、参加者側であるボランティアの会の会員並びに研究者などの依頼者側の会員の2種類を構築し、それぞれに提供したい情報を非公開サイトに掲載し、動作確認を行った。 実績②ボランティアの会のシステム見直し:個人情報はすべてローカル管理であり、ポータル上ではニックネームにて本人特定をすることとした。会員情報管理システムのうち、マイページへ掲載するデータの移行方法を構築し、定期的に同期できるような仕組みを構築することが出来た。 実績③電子カルテネットワーク内で会員情報を管理していくため、システムをREDCapに変更することを検討した。ポータルとのデータ同期を考慮し現行のデータベースの変更も行い、REDCapプロジェクトを完成させた。これについては2019年9月17-19日にカナダで開催された2019 REDCapConにてポスター発表を行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初のシステム設計に加えて本年度より当院内電子カルテネットワーク内で「おおさか臨床試験ボランティアの会」データベースを管理する検討を開始した。来年度にこの構想が実現することになったため、研究期間を延長してセキュリティの高いデータベースへの本格的な移行を計画に追加することにした。この検討の追加のため全体的には遅延することとなったが、システムの完成度は高まるものと考えられる。
|
今後の研究の推進方策 |
新しい仕組みの構築が決定した。現在はローカルで管理をし使用時にはネットワークから完全に遮断しているが、当院の電子カルテネットワーク内で管理することができるため、システム的にもセキュリティ的にも現行の方法よりかなり優れた仕組みになると期待できる。 マッチングポータルサイトの枠組みもほぼ完成し、動作確認もできた。 2020年度は会員データベースのREDcapへの移行、マイページへの掲載(個人情報含まない)を行い、動作確認・使用感確認を行うとともに、研究者の登録とリクルートを計画する臨床研究の登録研究者へシステムを周知し、研究者の登録を推進する。研究者には今回のテーマである新システムプロトタイプの活用に関するアンケート調査を行い、最終システム作成に向けて情報収集する予定である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
物品費:データ管理サーバーや管理用の端末、その周辺機器のために計上していたが、当院イントラネットを活用することとなったため、サーバーは不要となる可能性が高く、ファイル管理システムなどのソフトウェアが必要となることが想定される。 旅費:国内または国外出張(学会)を計画している。 その他:システム構築(委託)を行い、ほぼ終了したが、動作検証・使用権確認の際に、追加構築が発生することが見込まれる。また、データベースへのデータ入力が発生する見込みである。(その他から人件費に変更となる可能性あり。)
|