研究課題/領域番号 |
18K17344
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研究機関 | 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所) |
研究代表者 |
光武 誠吾 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (10520992)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 再入院 / リハビリテーション / 移行期ケアプログラム / ビッグデータ / 後期高齢者 |
研究実績の概要 |
本研究では、医療・介護ビッグデータ(レセプトデータ)を用いて、心身機能の低下した入院患者における退院直後の再入院の実態を把握するとともに、退院前後のケアに関わる医療・介護サービスが退院直後の再入院予防に与える効果を明らかにする。 平成30年度は、医療ビッグデータのクリーニング作業と、再入院の中でも予防可能な再入院に着目し、リハビリテーションを受けた退院患者における退院支援サービス利用の有無と退院後30日以内の予防可能な再入院発生との関連を検討した。医療ビッグデータより、DPC病院に入院し、疾患別リハビリテーションを受け、家庭に退院した75歳以上約3万名を分析に用いた。予防可能な再入院は、再入院の契機となった傷病名を用いて定義した。退院後30日以内の予防可能な再入院の有無を目的変数、各退院支援サービス(退院支援、退院時リハビリテーション指導、地域ケアとの連携)利用の有無を説明変数とし、患者の特性(性別、年齢、慢性疾患数等)と病院内クラスタリングの影響を調整するため、一般化推定方程式を用いて解析を行った。退院後30日以内の予防可能な再入院の発生割合は3%だった。各退院支援サービスの利用は、退院後30日以内の再入院抑制との関連を認めなかった。一方で、退院後30日以内の予防可能な再入院は、入院前に訪問診療の利用者(基準:利用していなかった者)、入院でのリハビリテーション単位数が多かった者(基準:少なかった者)、Hospital Frailty Risk Scoreが高かった者(基準:低かった者)と正の関連を示した。 現在、本研究内容は、リハビリテーション医学系の国際雑誌に投稿中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成30年度は、退院直後に再入院しやすい集団の特性の解明と、退院支援サービスの利用状況及びその利用と再入院発生との関連の分析を計画していた。研究は計画通り進んでいるため、「概ね順調に進展している」と判断した。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、医療・介護連結データを用いて、リハビリテーション入院患者の退院直後の介護サービスの利用状況に関する実態把握と退院直後の再入院との関連を検討していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度、研究結果を国際雑誌に投稿することはできたが、査読後による再投稿に係る作業までに至らなかった。そのため、査読後の再投稿に係る作業に必要な経費(英文校正費など)を次年度に使用する予定である。
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