研究課題/領域番号 |
18K17345
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研究機関 | 一般財団法人医療経済研究・社会保険福祉協会(医療経済研究機構(研究部)) |
研究代表者 |
浜田 将太 一般財団法人医療経済研究・社会保険福祉協会(医療経済研究機構(研究部)), 医療経済研究機構, 主任研究員 (80712033)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 高齢者 / 薬物療法 / ポリファーマシー / 介護老人保健施設 / データベース |
研究実績の概要 |
高齢者は多病であることが多く、疾患ごとに薬剤を処方することで多剤併用の状態に陥りやすい。高齢者は、医療ニーズが様々である上、生活の場や介護の必要度等が異なり、個々の状況に応じた薬物治療を提供する必要がある。一方で、高齢者の薬物治療においては、十分に科学的な意思決定を行うためのエビデンスが不足しているのが現状である。本研究の目的は、第一に、高齢者への薬物治療の実態把握及び評価を行うことである。
(1)臨床において実際に注意を要する薬剤の組み合わせとして、薬物代謝酵素を介した潜在的な薬物間相互作用(DDI)に着目して検討した。全国老人保健施設協会の調査研究事業で得られたデータを用いた。2種類以上の薬物治療を受けている入所者において、DDIは約3%にみられ、関与する薬剤として、ベンゾジアゼピン系睡眠薬・抗不安薬、プロトンポンプ阻害薬、カルシウム拮抗薬、抗てんかん薬が多かった。また、処方薬剤種類数が多いほど、DDIのリスクが高いことを確認した。研究成果は国際誌にて報告した。
(2)その他の検討を行うための準備も進めている。例えば、高齢者における薬剤処方実態について検討するため、レセプト情報・特定健診等情報データベース(NDB)の利用申請を行い、データを取得後、解析を開始した。また、高齢者による医薬品利用及び高齢者を対象とした臨床研究の動向について調査するため、データソースを確認するとともに、文献調査を含めた関連情報の整理を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
種々の検討を行うための準備を整えつつ、研究成果も論文として発表することができた。
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今後の研究の推進方策 |
平成30年度に取得・収集したデータの解析を進め、学会発表および論文投稿を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初計画していた旅費が不要となったことで次年度使用額が生じた。
使用計画としては、従来、研究利用を予定していたデータベースよりも大規模で悉皆性の高いナショナル・データベース(NDB)を利用する準備を整えた。NDBはデータサイズが大きく、解析には高性能のパソコンが必要であるため、そのリース費用に充当する予定である。
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