研究課題/領域番号 |
18K17350
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
佐藤 章子 東北大学, 医学系研究科, 大学院非常勤講師 (50723912)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | マンモグラフィ 検診 / CBT / 検診層別化因子 / 圧迫乳房厚 |
研究実績の概要 |
MG検診の検診精度向上のための検討課題として、高濃度乳房問題がある。MG検診で感度が低い高濃度乳房は若年層に多く、40歳代ではUSの上乗せにより癌発見率が向上することがJ-STARTで示された。しかし高濃度乳房は50歳代以上でも一定の割合で存在し、乳房構成による問題は40歳代には留まらない。近年、高濃度乳房の実態を検討する一つとして圧迫乳房厚CBT(Compressed Breast Thickness) が注目されている。検診集団での乳房構成とCBTの実態調査と検診の層別化因子としての可能性を模索した。2019年度に宮城県対がん協会でMG単独検診受診した中から40歳以上の各年齢階級でランダムに1000例抽出し解析した。乳房構成の分布は加齢に伴って変化するが、CBTは各年代で有意差がなく、脂肪性の乳房で有意にCBTが厚いが、MGの特性から脂肪性や散在の乳房の病変診断能力への影響は小さく偽陰性は低いと考えられた。一方、CBT30mm以下(全体の13%)では高濃度であっても乳癌の診断精度は低くないとの報告があり、高濃度乳房の危険性ばかりを強調することなく、ブレスト・アウェアネスの普及等での対応も必要であると考えられるが、CBT3cm以下はDBが多く(全年齢でDB75%以上、40歳代ではD85%以上)、慎重な対応が必要。真の高濃度乳房は50歳以上の年齢階級でも一定の割合で存在するので、このようなグループへの超音波検査の上乗せなどの対策は検討される余地がある。発見癌との関係は不明でああり乳房構成やCBTの検診層別化への言及は困難であったが、CBTは乳房構成と相関し、年齢によっても相関の傾向が変化するなど一定の傾向があるため、今後発見癌や中間期癌などの臨床情報と照合することにより層別化因子として検討の余地があると考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究計画の一部方向転換
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今後の研究の推進方策 |
・石灰化の質的診断を可能にするCADの開発として、AI-based CADによるカテゴリ3石灰化の良悪性鑑別能力の調査 ・検診精度の底上げと新規マネジメント研究として、高齢者の検診受診年齢上限設定のための検証:実臨床データ、検診データ、がん登録データの照合、CBTや乳房構成と発見癌や中間期癌などの臨床情報と照合することにより検診層別化因子としての有用性の検討
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次年度使用額が生じた理由 |
自施設の画像使用のため、マンモグラフィ画像デジタル経費は使用しなかった。 画像解析ソフト未購入
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