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2019 年度 実績報告書

潜在的なアニオンギャップ変動に基づく高血圧・動脈硬化のリスク評価

研究課題

研究課題/領域番号 18K17352
研究機関京都大学

研究代表者

瀬藤 和也  京都大学, 医学研究科, 研究員 (60771350)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2020-03-31
キーワードアニオンギャップ / 高血圧 / 動脈硬化 / コホート研究
研究実績の概要

1) 2018年度は、主にフィールドワーク(FW)調査により検体を収集した(計32日間)。2019年当初、重炭酸イオン(HCO3-)濃度を測定できる予定数が多かったため、2019年度も計15日間のFW調査にて検体収集に関わった。
2)2,614件の血清検体のHCO3-濃度は2019年度に測定した。ただし当初予定の方法から別手法(酵素法)への変更を余儀なくされた。これは必要量の試薬キットを納品できないこと、当初の手法が血清中の溶存CO2ガスを測定し計算でHCO3-濃度を得るため凍結保存検体では正確性が担保できないことが後に明らかとなったためである。なお、変更後の測定方法でも採血~測定までの期間は影響しうるため、得たHCO3-はその期間を考慮し調整した。
3)アニオンギャップ(AG)を算出し、各種電解質濃度や循環器指標(血圧、動脈硬化指数、心拍数等)を含む解析用データセットを整理した。共変量には性別、年齢、体格、腎機能、採血当日の服薬、喫煙、飲酒を用いた。
4)従来のAG、他の電解質を考慮した高精度AG共に全ての循環器指標との有意な関連を確認した。従来のAGと高精度AGを比較すると、確かに先行研究の様にeGFRについては高精度AGの精度が高いようであったが、循環器指標いついてはABIを除き大差はなかった。
5)次にAGのような計算値ではなく、各種電解質と循環器指標を直接みるためAGを構成する電解質を全て用いた線形回帰モデル解析を行った。心拍数にNa、Cl、P、HCO3-が独立に関連するなど循環器指標と各種電解質が独立に関わっていた。
以上の結果からAGは各種循環器指標と有意な関連を有するが、リスク評価の上では必ずしも高精度AGによる評価が有効ではなく従来のAGでも十分な場合がある。またAGによる評価のみならず、各電解質による個別のリスク評価の方が有効である場合もあるといえる。

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公開日: 2021-01-27  

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