研究課題
若手研究
近年、規制薬物の構造を基に設計された『危険ドラッグ』の流通が世界的な問題となっている。本研究では合成カンナビノイド系薬物を対象に、薬物の合成を主軸に薬理活性の評価を実施した。期間内に新たに35種類の合成カンナビノイド系薬物の合成を達成した。それらの薬物についてヒトカンナビノイド受容体機能評価試験を実施し、受容体活性化能を確認した。また、加熱によって分解が進行する薬物について、分解物も含めた活性化能の評価を実施した。
分析化学
危険ドラッグについての最も大きな問題のひとつは、部分構造をわずかに改変した薬物が次々と出回るため、関連する研究が常に後追い状態となり、薬物の危険性について情報が不足する状況が起こりやすいことである。本研究は新規合成カンナビノイド系薬物の危険性を推定する上で重要な受容体活性化能を明らかにすることに加え、分解物と考えられる化合物の活性化能を含めて評価することで、化合物自体の活性化能と実際の薬物摂取時の作用について差が生じる可能性を示した。