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2020 年度 実施状況報告書

風疹ウイルス感染並びに風疹発症を許容する宿主免疫についての解析

研究課題

研究課題/領域番号 18K17367
研究機関地方独立行政法人 大阪健康安全基盤研究所

研究代表者

上林 大起  地方独立行政法人 大阪健康安全基盤研究所, 微生物部, 研究員 (50622560)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2022-03-31
キーワードviral load / 中和抗体 / ウイルス分離 / 感染性粒子 / 間接蛍光抗体法
研究実績の概要

【風疹の臨床症状と相関する免疫因子の同定】大阪府内で確定された風疹症例について、血清中に含まれる抗風疹ウイルス特異的中和抗体価を測定した。また、感染性粒子が排出されているかを確認する為に、臨床検体からのウイルス分離を行った。昨年度までに明らかにした臨床検体(血液、咽頭ぬぐい液、尿)中に含まれる風疹ウイルスゲノムコピー数、血清中に含まれる抗風疹ウイルス特異的IgM/IgG抗体価、抗風疹ウイルス特異的IgG抗体の抗原に対するAvidity(親和性)の結果と統合し解析を行っている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

令和2年度は、新型コロナウイルスの検査対応などの影響により、予定通り研究を進めることが出来なかった。

今後の研究の推進方策

【遺伝子型2B RV株のB細胞エピトープの同定と中和反応に対する寄与度の明確化】野生型RVLPと変異型RVLPを抗原として中和抗体価を測定する。中和抗体の反応性低下に寄与した変異を同定し、同定された各アミノ酸変異の液性免疫回避に対する寄与度を明確にする。
【風疹ウイルス複製制御因子IFNλの胎盤低応答性の分子メカニズムの解明】ヒト胎盤由来細胞株について、複製制御因子IFNλの胎盤低応答性の分子メカニズムを明らかにする。
【風疹の臨床症状と相関する免疫因子(immune correlate)の同定】当所が収集した風疹患者血清パネルや患者の末梢血単核球(PBMC)を使用し、血清生化学的検査所見およびサイトカイン類の誘導量を蛋白質・mRNAの発現プロファイリングにて評価する。患者の臨床症状と採取した血液・尿・咽頭ぬぐい等の患者検体に含まれるRVコピー数との相関を解析し、風疹症状の程度と相関が認められる因子を同定する。生物活性物質である場合には、in vitro感染モデルでRV複製に与える影響を評価する。
【風疹ワクチンによって誘導される抗体のパネル化とエピトープの決定】ヒト血液から網羅的に抗原に反応する抗体を作製しパネル化する。その中から、中和活性等を持つ機能性抗体を探索する。ワクチンが効果を発揮できない免疫学的弱者における感染防御や妊婦の予防的並びに急性感染の治療に使用できる抗体医薬品の開発に繋がる知見を得る。また、中和活性の強い抗体が認識する部位(エピトープ)を決定し、妊婦にも使用できるサブユニットワクチンの開発など、より効果的なワクチンの創生に貢献できる基盤情報を蓄積し公衆衛生の向上に貢献する。当該研究は、B細胞1個から抗体遺伝子を増幅し、無細胞タンパク質合成系で抗体を発現させる技術を持つ外部機関との共同研究で行う予定である。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウイルスの検査対応の為、予定通り実験を行うことが出来なかった。令和3年度まで研究期間を延長し、予定していた実験を行う予定である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2021 2020 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件) 備考 (2件)

  • [雑誌論文] Ongoing rubella epidemic in Osaka, Japan, in 2018-20192020

    • 著者名/発表者名
      Daiki Kanbayashi、Takako Kurata、Hideyuki Kubo、Atsushi Kaida、Seiji P Yamamoto、Kazutaka Egawa、Yuki Hirai、Kazuma Okada、Ryo Ikemori、Takahiro Yumisashi、Akira Yamamoto、Hideki Yoshida、Takanori Hirayama、Kazuyoshi Ikuta、Kazushi Motomura
    • 雑誌名

      Western Pacific Surveillance and Response Journal (WPSAR)

      巻: 11 ページ: 48-50

    • DOI

      10.5365/wpsar.2019.10.3.001

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] CRISPR-Cas9ノックアウトスクリーンによる風疹ウイルスのヒト細胞における感染メカニズムの探索2021

    • 著者名/発表者名
      浜 みなみ、八木 真裕子、中嶋 友里江、上林 大起、倉田 貴子、遊佐 宏介、駒野 淳
    • 学会等名
      日本薬学会第141年会
  • [備考] 先天性風しん症候群について

    • URL

      http://www.iph.osaka.jp/s007/020/020/080/1111/20200213153117.html

  • [備考] 風しん(3日はしか)について

    • URL

      http://www.iph.osaka.jp/s007/020/020/080/011/20190222111628.html

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公開日: 2021-12-27  

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