研究課題/領域番号 |
18K17367
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分58020:衛生学および公衆衛生学分野関連:実験系を含む
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研究機関 | 地方独立行政法人 大阪健康安全基盤研究所 |
研究代表者 |
上林 大起 地方独立行政法人 大阪健康安全基盤研究所, 微生物部, 主任研究員 (50622560)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | rubella / rubella virus / primary infection / breakthrough infection / molecular epidemiology / rubella vaccine / immunization gap / sphingomyelin synthase 1 |
研究成果の概要 |
近年の風しん流行の要因、感染から発症を許容する免疫の特性、胎盤を経由した垂直感染機構の解明を目的とした研究を実施し、下記の成果を得た。 ①風しんウイルス(RuV)の分子疫学解析から、海外から持ち込まれたRuVがきっかけとなり感染が拡大したと考えられた。②風しん患者の急性期の血液検体を用いた血清学的解析から、患者の98.6%(138/140)がprimary infectionだと考えられた。③血清学的にbreakthrough infectionだと考えらえた2症例は、単回ワクチン接種世代の女性であった。④胎盤絨毛細胞へのRuV感受性を規定する因子としてスフィンゴミエリン合成酵素1を同定した。
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自由記述の分野 |
公衆衛生学/ウイルス学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
研究成果の概要に記載した成果から、下記の学術的・社会的意義を見出した。 ①多くの者がRuVに対する免疫を持つ状況下で、breakthrough infectionの頻度が低かった事実は、流行株に対するワクチンの有効性を示している。②海外から持ち込まれたRuVが感受性者の間で感染伝播した事実は、immunization gapを埋めない限り、将来の流行やCRSを防ぐことが出来ないことを示している。③Breakthrough infectionやCRSがワクチン単回接種世代の女性(母親)で確認された事実は、ワクチン単回接種では、風しんやCRSを完全に予防できず、ワクチン2回接種の必要性を示している。
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