研究課題/領域番号 |
18K17369
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研究機関 | 国立研究開発法人国立国際医療研究センター |
研究代表者 |
都築 慎也 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, その他部局等, 特任研究員 (60634912)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | インフルエンザ / インフルエンザ様疾患 / 疾病負荷 |
研究実績の概要 |
2019年度は本来ならば研究計画の最終年度であり、これまでの成果を統合しVaccine誌に原著論文を発表した(Tsuzuki et al., Modelling the optimal target age group for seasonal influenza vaccination in Japan, DOI:10.1016/j.vaccine.2019.11.001)が、「日本の社会構造を考慮した予防接種政策の最適化」という点で改善の余地を残していたため、今年度も延長して研究を実施する運びとなった。 延長申請当初は質問票調査によって日本におけるインフルエンザの疾病負荷をより詳細に推定することを計画していたが、新型コロナウイルス感染症の流行により日本の社会も大きな変化を経験するに至ったため、更なる方向性の修正を余儀なくされた。 2020年度に関して言えば新型コロナウイルス感染症が優勢となった結果、事実としてインフルエンザの患者数は激減したし、またインフルエンザのみならず所謂感冒、つまり「かぜ」で医療機関を受診する一般人口の行動様式も変容したと考えられた。 こうした事情を考慮すると、インフルエンザによりもたらされる疾病負荷はコロナ以前の社会とは異なるためこれを新たに推定すること、またインフルエンザと新型コロナウイルス感染症のもたらす疾病負荷の差異を明らかにすることで、2019年度の成果をより一般化可能なものとして議論できる。 そこで2020年度は新型コロナウイルス感染症・季節性インフルエンザそれぞれに罹患した一般市民に質問票調査を行い、隔離政策や生産性損失も含めた疾病負荷とその差異を検討することとした。現在データの収集を終え、来年度に解析・公表する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新型コロナウイルス感染症の出現により研究計画が大きく変化したことを考えると、上記の区分で研究計画の進捗を評価することは難しい。しかし今年度も変更した計画に則り一定の進捗を得ているため上の評価とした。
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今後の研究の推進方策 |
昨年度収集したデータを整理・解析し、原著論文として公開する。季節性インフルエンザと新型コロナウイルス感染症の疾病負荷がどのように異なるかを明らかにすることで、より一般化された成果を世に問うことが可能となる。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症の流行に伴う計画変更のため。
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