研究課題/領域番号 |
18K17376
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研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
横道 洋司 山梨大学, 大学院総合研究部, 准教授 (20596879)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 寿命 / 2型糖尿病 / 細小血管疾患 / 大血管疾患 / 虚血性心疾患 / Body mass index / 痩せ / アレルギー疾患 |
研究実績の概要 |
本研究では、当初厚生労働省からレセプトデータを借用し、スチェルチェス積分を用い、実際の患者の人口ピラミッドを反映して2型糖尿病患者の寿命と生涯に使う医療費を算出することを目指した。レセプトデータの借用が難しく、バイオバンク・ジャパンコホートデータを分析した。 患者の年齢ごとの全死亡率を直接計算した。これを細小血管合併症・大血管合併症ごとに行い、糖尿病性腎症を合併している2型糖尿病患者が最も寿命が短いことを明らかにした。死亡原因別にもこの分析を行い、2型糖尿病患者の代表的な死因であるがん、虚血性心疾患、脳血管疾患、肺炎を含む感染症、壊疽、消化器疾患、大動脈解離のすべての死亡率について糖尿病性腎症を持つことが最も死亡率を上げていることがわかった。 2型糖尿病患者で糖尿病性腎症第2期または第3期を持つ場合、痩せた体格にあたる18.5 kg/m2未満のBMIであることは、現在喫煙していることど同じくらい寿命を縮めている。死亡原因が虚血性心疾患であることに対しても痩せた体格は最も強力なリスクファクターとなり、この影響は微量アルブミン尿に比べて顕性アルブミン尿となっていること以上のものであった。つまり、初期の糖尿病性腎症患者で痩せた体格は高い死亡リスクを表している。 これらの解析に加えて、新たに糖尿病患者のアレルギー疾患合併割合に付いての研究に着手した。これらの疾患の関連は未だ知られていないが、バイオバンク・ジャパンデータで明らかにできると考えた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画は一部変更したものの、リサーチクエッションに沿った分析を行い、論文を出版することができた。
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今後の研究の推進方策 |
バイオバンク・ジャパンデータを用いて、糖尿病とアレルギー疾患との関連を明らかにしたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス蔓延のため、国際学会での発表をすることができなかった。また研究成果を発表する論文を準備している。英文校正と論文出版費用が次年度必要となる。
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