研究課題
我が国の自殺率は、低下傾向ではあるものの、諸外国に比べて依然として高いままである。自殺は、世界的にみても主要な死因の一つであり、メンタルへルス問題を基盤にした「防ぎ得る死」である。自殺予防のためには、精神科疾患に罹患した者を見つけ・適切な治療を行うことが重要である。しかし、精神疾患に罹患した者は、精神科以外の診療科を受診し、精神科を受診しないことが多く、精神科医以外の医師であっても、精神科疾患についての知識を有していること、さらに、自殺リスクの評価ができることが重要である。精神科以外の医師を対象とした、自殺予防に関する研修会は、全国各地で行われてきたが、その効果測定は不十分なものが多い。さらに、臨床研修医に限ると、自殺予防について体系だって学ぶ機会はほとんどなく、またどのような教育内容が効果的かすらわかっていない。本研究では、臨床研修医が自殺予防について必要な知識が習得でき、自殺リスクを評価できるようになるための、教育プログラムを開発し、その効果測定を行うことを目的とする。2018年度は、国内外の自殺予防の教材・資料を元に、講義資料を作成した。2019年度より、初期研修医に対しての講義を行い、その前後で、評価尺度を用いて、自殺の危険性が高い者に対する態度や対応技術を測定し、研修前後で比較を行う予定である。
3: やや遅れている
自殺予防についての講義資材は2018年度に予定通りに作成できたが、講義を実施する担当者の都合がつかず、実施が遅れている。2019年4月より講義を開始する予定であったが、約半年遅れる予定である。
2019年度途中より、教育プログラムの効果測定を開始し、2020年度の途中まで行う予定である。2020年度以内に、本研究結果をまとめ、適切な学術雑誌に投稿予定である。
当初購入を予定していた、必要な文具が、次年度には必要であるが、今年度は不要となったため。次年度に文具を購入する。
すべて 2018
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件) 図書 (1件)
Journal of Psychiatry
巻: 21 ページ: 444
10.4172/2378-5756.1000444
Psychiatry Investigation
巻: 15 ページ: 739-742
10.30773/pi.2018.04.04