研究課題
我が国の自殺率は、低下傾向ではあるものの、諸外国に比べて依然として高いままである。自殺は、世界的にみても主要な死因の一つであり、メンタルへルス問題を基盤にした「防ぎ得る死」である。自殺予防のためには、精神科疾患に罹患した者を見つけ・適切な治療を行うことが重要である。しかし、精神疾患に罹患した者は、精神科以外の診療科を受診し、精神科を受診しないことが多く、精神科医以外の医師であっても、精神科疾患についての知識を有していること、さらに、自殺リスクの評価ができることが重要である。精神科以外の医師を対象とした、自殺予防に関する研修会は、全国各地で行われてきたが、その効果測定は不十分なものが多い。さらに、臨床研修医に限ると、自殺予防について体系だって学ぶ機会はほとんどなく、またどのような教育内容が効果的かすらわかっていない。本研究では、臨床研修医が自殺予防について必要な知識が習得でき、自殺リスクを評価できるようになるための、教育プログラムを開発し、その効果測定を行うことを目的とする。2018年度は、国内外の自殺予防の教材・資料を元に、講義資料を作成した。2019年11月より、初期研修医に対しての講義を行い、その前後で、評価尺度を用いた、自殺の危険性が高い者に対する態度や対応技術の測定を開始した。2020年1月で講義は終了となった(3月より、新型コロナウイルスの影響により講義が中止となったため)。講義は合計2回実施し、計15名が参加した。2020年度に研究結果の解析を進めた。
3: やや遅れている
新型コロナウイルスの影響で、2020年3月より講義が中止となり、今後の方針について検討する必要が生じたため。
2020年度に研究結果の解析を進めた。2021年度に結果を公表予定である。
学会がWEB開催になり旅費がかからなくなるなどの状況となったため。2021年度は、研究成果の公表のために参加する学会発表などに使用する。
すべて 2020
すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (1件)
Asian Journal of Psychiatry
巻: 48 ページ: 101908~101908
10.1016/j.ajp.2019.101908
Psychiatry and Clinical Neurosciences
巻: 74 ページ: 414~415
10.1111/pcn.13015