研究課題/領域番号 |
18K17392
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
長尾 匡則 福島県立医科大学, 公私立大学の部局等, 助教 (30621239)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 東洋医学 / 食養 / 食品分類 / 栄養 / 中医学 / 食事調査法 / 妥当性研究 |
研究実績の概要 |
既存のコホート研究における4季節3日間の計12日間の秤量法による食事調査データと、当該コホートにおいて開発された食物摂取頻度調査法による質問票食事調査データに対して、それぞれ本研究により作成した食品の中医学的性質のデータテーブルに基づき食事の中医学的性質を評価・比較することにより、当該質問票による中医学的性質の評価の妥当性を検討する計画である。 この秤量法食事調査データおよび妥当性解析用の質問票調査データについて中医学的性質10項目の値をそれぞれ算出したのち、無調整値・および残差法によるエネルギー調整値について、スピアマンの順位相関係数を算出することに加え、秤量法食事調査データおよび質問票食事調査データより算出された中医学的性質の値でそれぞれを五分位にわけ、カテゴリの一致度を評価、ならびに質問票の再現性検証のために2回行われた質問票調査データについて、同様に中医学的性質10項目の値を算出し、スピアマンの順位相関係数の算出と検討を引き続き行った。 しかしながら食品の中医学的性質については古来の経験則に基づく文献値があるのみで、ゴールドスタンダードとなり得る客観的測定値は存在しないことがこの研究領域の最大の課題である。この妥当性を評価する新たな方法として、アウトカムとの関連が中医学に基づく仮説に合致することを確認することにより、間接的に評価できると考えた。そこで2023年度は一般地域住民を対象として、質問紙により食品摂取量と生活習慣、および血液生化学検査値を調査した。今後食品摂取量より評価した食事の東洋医学的性質を曝露要因とし、身体計測値や血液生化学検査値を用いて判定された生活習慣病等をアウトカムとして、両者の関連を検討し、中医学理論に基づいた機序の是非を検証する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
既存のコホート研究における食事調査データを活用する計画であるが、解析とその検討に当初の目論見より時間を要している。またそれに加えて本研究の骨子である中医学的性質の妥当性評価について、当初の計画を補完する有力な研究デザインが明らかになったため、研究期間を延長し内容を充実させることとなった。
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今後の研究の推進方策 |
次年度も一般地域住民を対象として、質問紙により食品摂取量と生活習慣、および血液生化学検査値を調査し、食事の東洋医学的性質と健康アウトカムとの関連を検討することで、本研究で評価された食事の東洋医学的性質の妥当性の検証を行うとともに、研究成果の発表を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
本研究で評価された食事の東洋医学的性質の妥当性の検証を行うために、追加の調査を住民健診において行う。また研究遅滞のため、成果の発表を次年度に行う必要が生じた。
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