研究課題/領域番号 |
18K17395
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
遠藤 源樹 順天堂大学, 医学部, 准教授 (60739209)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 心筋梗塞 / 病休 / 復職 / コホート研究 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、日本で唯一の12年間で約7万人の大規模職域コホートデータ(J-SARスタディ)を用いて、心筋梗塞患者の就労に関するエビデンスを集積することである。J-SAR Studyの病休データベース等を用いて、2000年1月1日から2011年12月31日までの12年間に、新規に主治医の「療養が必要」と記載された診断書にて心筋梗塞による病休を取得した労働者のデータを収集した。心筋梗塞による病休開始日から365日までの病休者の転帰を、「退職」「死亡」「病休継続」「復職」の4つに分類して、それらをアウトカム(評価指標)とした。「病休継続」は、病休開始日から365日まで療養が継続した労働者と定義した。12年間のフォローアップ期間中、主治医の「病名:心筋梗塞。療養が必要」と記載された診断書が提出されたのは130名の労働者であった。本研究の心筋梗塞罹患社員の基本属性を表1に示した。男性が124名(95.4%)、女性が6名(4.6%)であり、病休時の平均年齢は53.3歳であった。心筋梗塞罹患社員のフルタイムでの勤務ができるまでの日数の中央値は69日で、参照となるがん罹患社員と脳卒中罹患社員の場合はそれぞれ、201日、259日であり、心筋梗塞罹患社員は、がん罹患社員や脳卒中社員と比較して、かなり早期に、フルタイム勤務ができる健康状態に回復していたことが示唆された。心筋梗塞罹患社員における、短時間勤務もしくはフルタイム勤務のどちらかの勤務形態で復職するまでの日数の中央値は38日であり、がん罹患社員と脳卒中罹患社員の場合はそれぞれ80日、106日で、心筋梗塞は、がんや脳卒中と比較して、早期に復職しやすいことが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
J-SAR Studyの病休データベース等を用いた、後ろ向きのコホート研究は順調にデータ解析を行い、現在、研究①―1(病休コホート)から得られた心筋梗塞罹患社員の復職に関する論文を作成中であり、2019年5月に学術誌に投稿予定である。 また、現在、研究①-2(復職後コホート)から得られた心筋梗塞罹患社員の再病休に関するデータを集計・分析し、図表を作成している。2019年度内に学術誌に投稿予定である。 研究②の約5万人の集団の個票に登録されている(疾患パネル)心血管疾患患者を対象とした就労実態調査票を用いた調査研究は、倫理審査に時間を要したが、2019年3月に倫理審査が承認され、2019年4月に、疾患パネルに登録されている心血管疾患患者にwebベースで就労実態調査票を配布し、データを収集する予定である。心筋梗塞、解離性大動脈瘤、弁膜症、心筋症等、疾患別に比較を行い、それぞれの復職率等の評価指標と症状等のデータの比較検討を行う予定であり、2019年度内の論文投稿を目指している。
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今後の研究の推進方策 |
現在、研究①―1(病休コホート)から得られた心筋梗塞罹患社員の復職に関する論文を、2019年5月末までに学術誌に投稿する。 研究①-2(復職後コホート)から得られた心筋梗塞罹患社員の再病休に関するデータを集計・分析し、図表を作成している。先行文献が少ないことが予想されるが、幅広く文献レビューを行い、2019年度内に学術誌に投稿予定である。 研究②の約5万人の集団の個票に登録されている(疾患パネル)心血管疾患患者を対象とした就労実態調査票を用いた調査研究を実施する為、現在、疾患パネルの企業と打ち合わせを行っており、2019年4月に実施予定である。2019年5月に,得られたデータをクリーニングして、2019年8月までに図表を完成させる。2019年度内の論文投稿を目指している。
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次年度使用額が生じた理由 |
患者パネルに対する実態調査に関する倫理審査の承認まで時間がかかり、平成30年度内に実施予定であった調査が2019年4月に実施になってしまった為。
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