研究課題/領域番号 |
18K17396
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
辰巳 友佳子 帝京大学, 医学部, 助教 (00757685)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 家庭血圧 / 健康診断 |
研究実績の概要 |
家庭血圧測定実施状況について、住民コホートと職域を含む3つの集団にアンケート調査(対象者約1万名)を実施した。そのうち、職域集団の結果集計とデータ化が終了し、同集団における健康診断の結果を突合した。このデータベースをもとに、40-65歳を対象に家庭血圧測定実施と高血圧治療状況、健康診断時血圧との関連を検討した。 <詳細>降圧剤服用有無の2分類(未治療、治療)と、診察室血圧値の3分類(正常・正常高値血圧:130/80mmHg未満、高値血圧:130-139/80-89mmHg、高血圧:140/90mmHg以上)により、対象者を6群に分類した。家庭血圧計保有の質問「持っている、持っていない」と家庭血圧測定実施頻度の質問「ほぼ毎日、3-5回/週、1-2回/週、2-3回/月、1回未満/月、測っていない」より、「持っていない」または「測っていない」に回答した者を家庭血圧測定非実施者とした。家庭血圧測定非実施割合は未治療正常・正常高値血圧:85.0%、未治療高値血圧:80.3%、未治療高血圧:62.7%、治療中正常・正常高値血圧(管理良好高血圧):20.7%、治療中高値血圧(管理不十分高血圧):27.0%、治療中高血圧(管理不良高血圧):22.1%であった。多変量調整後、管理良好高血圧を基準としたリスク比(ポアソン回帰分析)は、未治療正常・正常高値血圧:3.8 (2.8-5.1)、未治療高値血圧:3.5 (2.6-4.8)、未治療高血圧:2.8 (2.0-3.8)、管理不十分高血圧:1.3 (0.9-1.9)、管理不良高血圧:1.1 (0.7-1.5)であった。これらの結果から、職域における未治療高値血圧・高血圧者への家庭血圧測定啓発のさらなる必要性が示唆された。 このアンケート調査に加え、2019年度に実施する家庭血圧測定の教育効果の検討に関する研究の計画立案、倫理申請準備を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
既存データを用いた75g経口ブドウ糖負荷試験の負荷後血糖値に関するデータ解析を予定していたが、直近5年間のデータを拡充することが決定したため、拡充後に解析することとなった。
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今後の研究の推進方策 |
・アンケート調査の集計とデータ化を進める。 ・職域集団において、家庭血圧測定の教育講演と家庭血圧貸与を行い、教育効果を検討する。 ・食後高血糖に関する既存データ解析実施に向けて、データ拡充について現在倫理申請中であるため、承認を得た後にデータ整備を行い、解析を実施する。
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次年度使用額が生じた理由 |
2019年度に計画している、家庭血圧測定の教育効果の検討に関する研究で使用する物品を2018年度後半に購入する予定であったが、研究計画の詳細決定が年度末になったため、2019年度に購入することとなった。
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