研究課題
家庭血圧測定を実施している者の特徴を明らかにするために、職域集団における家庭血圧に関するアンケート調査の分析(記述統計およびロジスティック回帰分析)を行った。結果、降圧薬非服用者で家庭血圧測定の機会がある者(月に2回以上測定している)は男性8.7%、女性12.4%で、男女とも年齢と血圧が正に関連した。さらに女性では脂質異常症治療を受けている者、歩く速度が速い者、運動習慣のある者で測定機会ありのオッズ比が有意に高く、夕食後の間食の回数が多い者で有意に低かった。降圧薬服用者で家庭血圧測定をほぼ毎日実施している者は男性21.6%、女性25.5%であった。男性では糖尿病治療を受けている者、朝食の欠食が多い者で測定習慣ありのオッズ比が有意に低かった。女性ではこれらに加えて、脂質異常症の治療を受けている者、就寝前2時間以内の夕食回数が多い者で測定習慣ありのオッズ比が有意に低く、独居者で有意に高かった。また、同職域集団で人数を限定して家庭血圧に関する集団講習会を実施し、健康診断前に家庭血圧測定記録用紙を配布し、健康診断時に提出してもらう試みを実施した。2020年3月末までに個人への結果返しを終了し、現在集計中である。さらに、他のコホートで直近までのデータを拡充する手続きを進めた。
2: おおむね順調に進展している
職域集団の健康診断における家庭血圧測定導入について、順調に調査と分析、成果公表が進んでいる。他に予定していた既存データ解析においても、直近のデータまでを拡充する手続きが進んでおり、近々分析が行える予定である。
COVID-19の流行により、現地での打ち合わせや調査は不可能であると考えられるため、2020年度は既存データの解析と学術雑誌への成果公表を中心に行う。これまでに蓄積してきた職域集団におけるデータに加え、他のコホート集団での家庭血圧、糖尿病についての分析を進める。
2020年2-3月、COVID-19の流行により予定していた会議や学会参加が全てキャンセルとなったため、会議等は翌年度に実施する。
すべて 2020 2019
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 2件)
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