研究課題/領域番号 |
18K17398
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
可知 悠子 北里大学, 医学部, 講師 (10579337)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | マタニティハラスメント / 女性労働者 / 妊娠・出産 / 長時間労働 / 男女差別 |
研究実績の概要 |
H30年度は、マタニティハラスメントのその母子の健康や退職への影響について、文献調査や関係者へのヒヤリングを行い、その結果に基づいて研究計画書ならびにアンケート調査票を作成し、倫理審査への申請を行った。また、調査対象となる産婦人科にて、調査フローについての相談も行った。 文献調査では、国内外においてマタニティハラスメントの母子の健康への影響についての研究は見当たらなかった。職場における心理社会的・物理的・化学的曝露については、数は少ないものの知見があったため、結果を整理した。 ヒヤリングでは、NPO法人マタニティネットのメンバーに被害の状況と、マタニティハラスメントの要因と考えられる職場環境について、聞き取りを行った。以前よりも、退職勧奨や配置転換などのわかりやすいマタニティハラスメントは減少し、「もっぱら雑用をさせる」や「情報を共有しない」といった嫌がらせのような立証しにくいケースが増えているとのことであった。また、長時間労働や職場における男女差別が依然としてマタニティハラスメントの要因として存在すること、母性保護に関する法整備が整ってきているにも関わらず、現場の理解が浸透しておらず、裁判に持ちこんだとしても罰則がないため、声を上げる女性が減っているなどの声も挙げられた。 なお、倫理審査については、現在結果待ちである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
倫理審査への申請が予定より遅れた。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、倫理審査の承諾が得られ次第、産婦人科にてWEBアンケート調査の実施と診療情報の収集を行う。データの収集期間は1年半であり、その後データを解析し、結果を学術誌等に報告する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額は大きくなく、ほぼ計画通りに使用している。残りは今後行う、産婦人科でのWEBアンケート調査にて、主に謝礼として使用する予定である。
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