研究課題/領域番号 |
18K17401
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
阪上 暁子 久留米大学, 医学部, 助教 (90725029)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 身体活動 / 就業中の座位時間 |
研究実績の概要 |
2006年の『運動基準』から2013年『身体活動基準』に名称・内容が改められ、身体活動の重要性が叫ばれている。身体活動量の増加が死亡率を低下させることは周知の事実だが、推奨身体活動量を充足させても座位時間が長いと死亡リスクが高くなるという報告(Arch Intern Med. 2012;172(6):494-500)は普及していない。大規模な一般住民に関しては明確ではなく、また本邦において十分なエビデンスがないのが現状である。田主丸研究は1958年からアメリカ、日本、イタリア、ギリシャ、オランダ、フィンランド、旧ユーゴスラビアの世界7カ国共同 研究の一環として始まり、1999年当時申請者は、身体活動の評価法として再現性と妥当性が報告されているBaeckeの質問票を用いて、約2,000名の一般住民検診を行った。さらに2018年5月より、田主丸検診60年目となる大規模一般住民検診を12月末までの8ヶ月間にわたり行った。問診、血液尿検査、心電図、心エコー、頸動脈エコー、認知機能検査、栄養調査、動脈硬化指数(AI)に加え、1999年に行ったBaeckeの質問票を用いた身体活動の評価を行った。さらに現在深刻な問題となっているフレイルの評価とストレスに関しても評価した。検診受診者に各個人の結果および今後の方針について(生活習慣の改善や専門医受診の必要性など)検査結果の報告を行い、さらに精密検査が必要と判断された受診者に対して、医療機関への紹介状を作成し、紹介受診を促すとともにその結果および経過について調査した。身体活動と総死亡との関連を示し、さらに本邦では未だ報告のない、就業中の座位行動と総死亡との関連について、約20年間の縦断研究結果を用いて検討することは非常に重要と考える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定としては、2018年5月~11月までに約2,000名の検診受診者を目標としていた。しかし11月の時点で受診者は1300名に至っておらず、12月末まで検診期間を延長した。それにより、2,000名には届かなったが、1,367名と受診者は増加した。期間延長により、人件費は予定よりも上回ったが、検診受診者への結果報告については予定通り、2019年1月末までには終了できた。
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今後の研究の推進方策 |
検診により得られた結果に関して、SASを用いて分析し、解析方法はLogistic回帰分析、重回帰分析を含めた単および多変量解析を行う。身体活動と総死亡との関連を示し、さらに就業中の座位行動と総死亡との関連について、約20年間の縦断研究結果を用いて検討する。今後、定期的に市民公開講座を開催し研究で得られた結果を住民へフィードバックするとともに生活習慣病に対する啓蒙を行う。さらに、国内国外の学会で発表、論文を作成し、疫学的に確かめられた新たなエビデンスとして報告する。
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次年度使用額が生じた理由 |
2019年1月24日より産休に入っため、研究・解析を中断したため。
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