本科研費の最後の研究計画であり、コロナの影響でペンディングとなっていた、新型(FC428型)セファロスポリン耐性遺伝子を大手民間検査センターの日常検査の中でスクリーニングするという計画を進めた。具体的には、セフトリアキソンとセフィキシムへの感受性をディスク法で検査して頂き、セフトリアキソンの阻止円径≦39mmかつセフィキシムの阻止円径≦23mmを示す株のスクリーニングを進めた。令和5年の9月末までスクリーニングを継続し、約2年間に渡り、合計で27都道府県から564株(ただしそのうち343株は東京、78株は埼玉、47株は神奈川由来)をスクリーニングしたが、全て陰性株であった。この結果から、新型(FC428型)セファロスポリン耐性遺伝子を保有する薬剤耐性淋菌は幸い、日本では今のところ拡散していないと結論付けられた。
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