研究課題/領域番号 |
18K17408
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研究機関 | 国立研究開発法人国立成育医療研究センター |
研究代表者 |
川崎 麻紀 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, 政策科学研究部, 非常勤医師 (00747488)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 妊娠糖尿病 / 体重 / 肥満 / 糖尿病発症予防 |
研究実績の概要 |
妊娠糖尿病(Gestational diabetes mellitus:GDM)は、将来の2型糖尿病発症の高リスクであり、中でも妊娠前肥満はリスク因子である。海外では、妊娠前肥満の有無に関わらず、産後の体重増加が大きいことは、産後糖尿病発症の独立したリスク因子であることが報告されている。しかし、わが国での報告は限られている。GDM女性において、将来の糖尿病発症予防のために産後の体重増加をいかにコントロールするかを、授乳との関係を含めて明らかにすること、さらに減量や行動変容の障害となっている因子を探索的に明らかにすることを本研究の主な目的とした。 既存の出生コホート集団として、当院で施行されている成育母子コホート研究(2010 年 12 月から2013 年 3 月 31 日までに当院で分娩管理を行った妊娠の出生コホート研究)のうち、妊娠中耐糖能正常女性の産後1年までの体重変化を解析した。参加者2388人のうち、妊娠前肥満あり(BMI≧25㎏/m2)が131人(5.5%)、妊娠前肥満なし(BMI<25kg/m2)が2251人(94.5%)であった。妊娠前肥満あり女性では、産後6か月の体重変化率は妊娠前と比較して-4.73±5.7%( -21.1~7.8)、産後12か月では-5.3±7.8%(-24.4~14.0)であった。妊娠前肥満なし女性では、産後6か月の体重変化率は-0.50±5.8%(-23.3~27.6)、産後12か月では-0.85±6.0%(-26.2~33.3)であった。 妊娠糖尿病と診断された女性に対して、産後3ヵ月から産後1年までの介入プログラムの作成を継続した。産後の体重増加を防ぐことを目的とし、睡眠、生活リズム、ストレス対策、減量について、次の妊娠に向けての内容に関して、パンフレットを作成した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
成育母子コホート研究のデータが産後1年までしか得られなかった。 妊娠糖尿病女性のデータは、データ整理が予定通り進まず解析に至らなかった。
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今後の研究の推進方策 |
妊娠糖尿病女性のデータは、データ整理が予を進め、解析を施行する。 作成した妊娠糖尿病女性に対する産後1年までの介入プログラムを施行する。妊娠前BMI 毎に産後1 年までの体重変化、産後1 年での耐糖能異常発症率を検討する。年齢、授乳の詳細、糖尿病家族歴などの糖尿病発症に関連すると考えられる因子を調整し、ロジステック回帰分析を行い、産後の糖尿病発症と体重の関連を検討する。さらに、減量や行動変容の障害となっている因子を探索的に検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
データ取得が当初の予定より遅くなったためにデータ整理が終了せず、次年度使用額が生じたと考えられます。来年度は従来の予定通り、データ整理と解析をすすめる予定です。
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