研究課題
若手研究
子どもの頭蓋骨の厚さを死後CT画像を用いて計測した。また、3点曲げ試験を行い、頭蓋骨の強度を求めた。頭蓋骨の強度と年齢との間には正の相関関係を認めた。厚さに関しては、頭頂部は厚く、左右側頭部は薄い傾向にあることがわかった。しかし、試料の数が予想より収集できておらず、統計学的解析まで至っていないのが現状である。性差に関しても、サンプルサイズが小さく、現在のところ傾向についてわかっていない。今後更に試料の数を増やし、十分な数が集まった後に解析を行い、学会発表や論文執筆をしていく予定である。
法医学
サンプルサイズが小さく、十分な研究成果は得られていないものの、収集済みのデータからはある程度傾向が確認されており、データさえ集まれば意味のある結果は出るものと思われる。したがって学術的意義はあるものと考えられる。また、その結果は最終的に、死亡事例の鑑定及び生体鑑定において、子どもの頭部外傷を正確に評価するための補助的ツールとなる可能性が考えられる。その鑑定結果が裁判の判決を左右することも考えられ、社会的意義のあるものとなると思料される。