合成カンナビノイド乱用の急増以降、国内外では新規合成カンナビノイド及び代謝物の同定と代謝経路の推定、CB受容体への親和性評価などが行われてきた。しかし、5F-ADBを含むエステル・アミド基を有する合成カンナビノイドについては、代謝酵素(特にCES)の発現が異なる臓器間での代謝との相関に関する研究はこれまでに報告がない。合成カンナビノイドは類似した基本骨格を有する化合物が多いことから、他の合成カンナビノイドにも拡張できることが期待されるため、臓器間におけるCESの発現と5F-ADB濃度の相関を明らかにすること、及び毒性評価は、法医学・薬物代謝学・社会医学の観点からも非常に意義のあるものである。
|