心臓突然死が疑われる群では対照事例と比較し心臓の重量に差を認めなかった。一方で、寿命は心臓突然死群が有意に短いことが示され遺伝学的な背景の差が疑われた。そこで法医解剖の際に行われたゲノム検査の結果を利用し心疾患関連遺伝子変異および自律神経関連遺伝子変異について突然死群・心肥大群・対照群に分けて検討した。心臓突然死群、心肥大群の2群が心疾患関連遺伝子変異を対照群に比較して有意に多く保有しており自律神経関連遺伝子変異については心臓突然死群のみで有意に多く保有していた。これらの結果から、心臓突然死の成立には心疾患関連遺伝子変異に加え自律神経関連遺伝子変異の存在が必要であることが示唆された。
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