アルツハイマー型認知症の徘徊行動等の推測を目的として、検案・解剖症例等の病理学、画像診断、髄液検査を行った。 前頭葉大脳皮質ではアミロイドβ密度がやや高く、海馬においてはタウ密度が高かった。健常者とアルツハイマー型認知症患者の髄液中アミロイドβ蛋白値に有意差が認められた。死後画像検査例では、冠状面における海馬の幅および高さは若年者と70歳以上の高齢者に有意差が認められた。法医解剖例では、若年者と高齢者に測定値の有意差が認められ、健常者と認知症患者では海馬サイズに有意差が認められた。海馬サイズは、前頭葉大脳皮質におけるアミロイドβ密度および海馬におけるタウ密度とに負の相関関係が認められた。
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