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2022 年度 実施状況報告書

若年・中堅層の看護師に焦点を当てた転職の成果と課題の検証

研究課題

研究課題/領域番号 18K17426
研究機関山形大学

研究代表者

田中 聡美  山形大学, 医学部, 助教 (70584316)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2024-03-31
キーワード看護師 / 幸福感 / 転職
研究実績の概要

近年,看護師の転職入職率は新卒入職率を上回る傾向が続いている。この傾向の個人的要因の1つとして,加藤(2019)は幸福感を挙げているが,看護師が仕事の中で体験する幸福感は十分検討されていない。そこで本研究では,看護師の仕事に対する幸福感の構成因子と因子構造を検討した。28施設に勤務する看護師1099名を対象に、自記式質問紙調査を実施した。調査期間は2021年10月から2022年1月までとした。調査内容は、看護師の仕事に対する幸福感の認識109項目(田中・布施,2022)とし,探索的因子分析を行った。
有効回答数は486名(有効回答率77.0%)であった。主因子法、プロマックス回転による因子分析の,3因子37項目を抽出した。第1因子は18項目で構成され【仕事に対する遣り甲斐の実感】と命名した(α=.94)。第2因子は13項目で構成され【サポーティブな上司や同僚の存在】と命名した(α=.94)。第3因子は6項目で構成され【協働的関係の医師の存在】と命名した(α=.92)。看護師の仕事に対する幸福感は,【仕事に対する遣り甲斐の実感】【サポーティブな上司や同僚の存在】【協働的関係の医師の存在】の3つの側面から幸福感を認識していることが示唆された。
構成概念妥当性を検討するために,確認的因子分析として共分散構造分析を行った。その結果,適合指標はGFI = .77, AGFI = .74, RMSEA = .07であり,統計学的な許容水準を満たしたため構成概念妥当性が確認できたと判断した。
今後看護師の組織への定着支援を検討するためには,看護師の仕事に対する幸福感を検討する意義は大きい。また,幸福感を構成する3因子と個人属性,転職意思,幸福度との関連を分析することで,定着に至る幸福な看護師の特徴を明らかにし,定着支援に有効な施策の開発を期待できる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

看護師の仕事に対する幸福感について、質問紙調査および因子構造の分析まで実施でき、概ね結果を把握することができている。

今後の研究の推進方策

研究内容をまとめ、学会誌に投稿し完了とする。

次年度使用額が生じた理由

国際学会の開催が国内であったため、予定していた予算額よりの参加費がを抑えられた。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] 病院に勤務する看護師の職務に対する幸福感の認識2022

    • 著者名/発表者名
      田中聡美,布施淳子
    • 雑誌名

      日本看護研究学会誌

      巻: 45 ページ: 105-120

    • DOI

      10.15065/jjsnr.20211025145

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] Investigation of Factors that Impact Nurses’ Happy2023

    • 著者名/発表者名
      Satomi Tanaka, Junko Fuse
    • 学会等名
      26th EAFONS
    • 国際学会
  • [学会発表] 病院に勤務する看護師の仕事に対する幸福感2022

    • 著者名/発表者名
      田中聡美,布施淳子
    • 学会等名
      第48回日本看護研究学会
  • [学会発表] 病院勤務の看護師の仕事に対する幸福感の因子構造モデル2022

    • 著者名/発表者名
      田中聡美,布施淳子
    • 学会等名
      第42回日本看護科学学会

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公開日: 2023-12-25  

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