研究課題/領域番号 |
18K17429
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研究機関 | 宮城大学 |
研究代表者 |
大熊 恵子 宮城大学, 看護学群, 教授 (40284715)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 自閉スペクトラム症 / 看護系大学 / 大学生 / 合理的配慮 / 学生支援 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、自閉スペクトラム症(以下、ASD)の発達特性をもつ看護大学生に対し、大学としてどのような学生支援・教育をしているのか、その上で、どのような合理的配慮がなされているのか、現状を明らかにし、ASDの発達特性をもつ看護大学生に対する大学での支援体制づくり・システム化への示唆を得ることである。 令和2年度は、ASDの発達特性を有する看護大学生に対する学生支援の状況に関するインタビュー調査を引き続き行う予定であったが、新型コロナウイルス感染拡大により、難しい状況となった。そこで、看護系大学でどのような合理的配慮に関する体制整備がなされているのか、ウェブ調査を行った。 概要:日本看護系大学協議会ウェブサイトに掲載されている看護系大学287校すべての合理的配慮に関する体制整備状況を、各大学の公式ウェブサイトから情報収集し、その傾向を整理・分析した。その結果、国立大学では全大学で合理的配慮の体制に関する説明が掲載されていたが、公立大学では50校中32校(64%)に、私立大学では194校中83校(43%)にとどまっていた。また、看護学部のウェブページに合理的配慮に関する説明が掲載されていたのは、287校中1校のみであった。また、発達障害を有する学生への合理的配慮に関する説明が記載されていたのは、92校(32%)であった。 ウェブ調査のため、合理的配慮に関する実際例や看護大学生への合理的配慮内容などは読み取れなかったが、公立・私立看護系大学の合理的配慮の体制整備は、国立看護系大学に比較して遅れていることがうかがえた。また、看護大学生の発達障害に関する合理的配慮に関する掲載が32%にとどまっていたことから、支援体制にも各大学でばらつきがあることもうかがえた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウイルスの感染拡大により、予定していたインタビュー調査が中止となってしまった。また、新型コロナウイルス感染症に対する所属大学での対応が最優先となり、研究エフォート、特にデータ分析の時間をかけることが難しい状況となってしまった。
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今後の研究の推進方策 |
令和2年度に行った合理的配慮に関するウェブ調査により、先駆的な取り組みを行っている大学を選出し、視察調査・インタビュー調査を行う。単科大学での取り組みに関するインタビュー調査も行う。新型コロナウイルス感染症の感染拡大によっては、オンラインでの調査等も検討する。ウェブ調査、インタビュー調査から得られたデータの分析を行い、学会発表を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
令和2年度に国内の先駆的な取り組みを行っている大学の視察とインタビュー調査を予定していたが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、中止せざるを得なくなったため。次年度は大学の視察調査ならびに面接調査、学会発表を行う予定である。
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